河川の放射能汚染の現況、特に千葉県と江戸川水系の底質の汚染状況
久し振りに「福島第一原発2号機の謎に迫る(仮題)」シリーズの続きです。今回は、これまであまり取り上げていなかった河川の放射能汚染について、簡単に現況をまとめます。今回は全体的な傾向をつかむことに重点をおいたため、県ごとのデータの詳細な解析は行っていません。
ただし、みなさんが関心がありそうな千葉県や東京の河川について詳しくデータを見てみましたので、最後までご覧下さい。
海洋汚染については、文科省が中心になって東京電力や環境省、海上保安庁などと一緒に定期的なモニタリングが行われてきました。そして、その多くはこのブログでも紹介してきました。
一方、河川の汚染については環境省が中心になって測定をしてきました。そしてその結果は主に環境省のHPに掲載されています。このブログでは、昨年末に一度「12/25 環境省が発表している川の水質と底質のデータが増えています!」にご紹介しました。このサイトでは、川の水の放射能濃度、底質(川底の泥や砂)の放射能濃度、河岸の土の放射能濃度などを測定し、まとめてくれています。
福島県から始まった測定も、岩手県、宮城県、山形県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉・埼玉・東京で行われ、1回にとどまらず定期的に何回も行われています。茨城県が先日(8/10)、3回目の結果を発表しましたが、この発表は茨城県独自の調査結果も含めてわかりやすく表示してくれていましたので「茨城県の霞ヶ浦流入河川の第3回モニタリング結果発表(8/10)はわかりやすい!」でご紹介しました。
ここでは、環境省のデータについて、各測定結果へのリンクと、各県の状況の簡単な説明をします。主に川の底質の放射性セシウム(Cs-134とCs-137の合計値)についての現況を説明します。特に最後の千葉県、江戸川水系については関心が高い人が多いでしょうから、少し詳しくご紹介しようと思います。各県で独自に調査しているものもありますが、ここではあまりフォローできていないことをご了承ください。
なお、各県のデータに共通していることとして、川の水で1Bq/L以上の放射性セシウムが検出された例はありませんでした。
岩手県:
「岩手県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」2/17
岩手県の測定は一度しか行われていません。北上川を中心に行われています。

底質の放射性セシウムはCs-134とCs-137合計で300Bq/kg前後の地点が多く、最大でも990Bq/kgでした。他の県と比較してみると、あまり汚染されていないといえると思います。
宮城県:
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」12/16
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目)」3/30
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4月-6 月採取分)」8/10
宮城県では、昨年から3回行われています。宮城県では、多くの川が仙台湾に流れ込んでいます。福島県から流れてくる阿武隈川の下流の測定も宮城県分に入ってきますし、その他の仙台湾に流れ込む川のデータも気になるところだと思います。ただし、それなりの汚染はありますが、他県と比較すると阿武隈川流域以外ではセシウム合計で1000Bq/kgを超える地点はそれほど多いわけではありません。そこで、今回は詳細な解析は省略します。

山形県:
「山形県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」12/22
山形県も昨年の1回しか行われていません。山形県には、最上川がありますが、下の地図を見る限り、最上川の河口付近までの下流は測定していないようです。
最上川水系の川の底質は、セシウム合計で、最高でも132Bq/kgとほとんど汚染されていません。あまり気にするレベルではないと考えられます。

福島県:
「福島県内の公共用水域の水質モニタリング調査における放射性物質濃度の測定結果(速報)について[PDF]」2011年6/3
「福島県内の公共用水域の水質モニタリング調査における放射性物質濃度の測定結果(速報)について [PDF:440KB]」8/1
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:987KB]」2011年11/15
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:5,415KB]」2/17
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(3回目) [PDF:5,304KB]」3/19
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4回目) [PDF:4,730KB]」3/30
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4月-6月採取分) [PDF:409KB]」7/31
福島県は、一番回数も多く測定されていますし、汚染も一番ひどい状況です。データが非常に多いため、詳細な解析は別の機会に譲り、今回は省略させていただきます。

茨城県:
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,400KB]」 (平成23年12月2日)
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,844KB]」(平成24年3月30日)
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(5月-7月採取分)[PDF:147KB]」8/10
茨城県は過去3回の測定が行われています。そして、3回目とほぼ同時期に茨城県独自の霞ヶ浦付近の測定も行われています。霞ヶ浦を中心に、那珂川、久慈川の測定を行っています。茨城県についての詳細は最近まとめた「茨城県の霞ヶ浦流入河川の第3回モニタリング結果発表(8/10)はわかりやすい!」にあるので省略します。

栃木県:
「栃木県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,473KB]」2011年12/6
「栃木県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,311KB]」3/30
栃木県は2回の測定が行われています。今年度に入ってからの発表はまだありません。
栃木県では、那珂川水系と鬼怒川水系でそれぞれセシウム合計で3000Bq/kgを超える底質のセシウムがあり、12月の測定と3月の測定では高い場所が移っているようです。一方で、南部の渡良瀬川の汚染はそれほどではありません。次回の結果でどうなるのか、要注意だと思います。
最後に述べますが、これは昨年3月のセシウム降下量が多かった地域と重なっていると思います。

群馬県:
「群馬県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,795KB]」1/13
「群馬県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,492KB]」3/30
群馬県の測定も、栃木県と同じく2回です。今年度に入ってからの発表はまだありません。
群馬県は、利根川水系の一部の底質で少し高めの数値が出ていますが、1000Bq/kgを超えるものはありません。ただし、湖沼では、特に北部の藤原ダムの藤原湖や坂本ダムの碓氷湖のように2000Bq/kgを超える場所もありますので、一部の地域では注意が必要です。この高めに出ている北部の地域は、栃木県と同じで昨年の3月にセシウムが多く降下した地域と重なっているようです。

千葉県、埼玉県及び東京都:
「千葉県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,560KB]」2011年12/22
「千葉県、埼玉県及び東京都内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,969KB]」3/30
「千葉県、埼玉県及び東京都内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(5月-6月採取分) [PDF:348KB]」7/31
千葉県、埼玉県、東京都です。こちらは全部で3回の測定が行われています。東京湾に注ぐ川がどういう汚染状態なのかがおそらくみんなの関心の的だと思います。測定されたのは下図の地点です。3回目の測定(5月~6月採取分)での地点番号を示します。

これまで3回の測定での底質のセシウム合計値を各地点毎に並べてみました。その結果、明らかにセシウム濃度が高いエリアと低いエリアがあることがわかります。手賀沼流入河川と印旛沼流入河川が特に高く、江戸川水系と利根川水系はあまり高くありませんでした。

もう少し詳しく見てみます。利根川水系では、1.の布鎌大橋と7.の新川水門が高めですが、あとは1000Bq/kgにいくかどうかというレベルです。一方、手賀沼流入河川では、14.の亀成橋以外は軒並み2000Bq/kgを超えており、8.の北柏橋と10.の上沼橋(どちらも柏市)では昨年よりも遙かに高くなり、今年の5-6月には10000Bq/kgを超えていることがわかります。
このことから、いわゆる東葛地域の汚染が高く、その汚染が陸上から河川に集積している可能性が考えられます。しかも、柏市などの汚染は利根川に行くよりも多賀沼や印旛沼に流入しているようです。

続いて印旛沼流入河川と江戸川水系です。印旛沼流入河川では、15.~21.では1000Bq/kg以上のかなり高い汚染が見られます(セシウム合計値)。一方、東側の22.~25.ではあまり高くありません。
江戸川水系では、上流の26.~30.は3000Bq/kg程度とかなり高い値ですが、江戸川、旧江戸川の観測地点は1000Bq/kg未満です。ただし、この地点は2回目、3回目と地点が追加されているため、1回目がどうだったのかはわかりません。おそらく、1回目の結果で上流が高かったため、下流のポイントを増やしたというのが実情だと思います。江戸川下流については、今後下流に底質のセシウムが移動するのかどうかが一つの注意すべきポイントだと思います。今のところはまだ上流から下流に移動している気配はありません。

その他、船橋市の海老川の八千代橋(45.)も6000Bq/kgのセシウムが検出されています。
全体を通して:
Srの測定結果が3/30に発表になっています。各県からセシウムの汚染が高いところを選んで一ヶ所は測定するようにしたようです。
「公共用水域における放射性物質モニタリングの追加測定結果について [PDF:2,681KB]」3/30
Sr-90/Cs-137は、非常に大ざっぱな計算ですが、1/1000=0.1%程度になっています。ここではそれだけをつかんでおけば充分かと思います。
ここまで全体を見てきましたが、福島県が一番高く、宮城県の阿武隈川流域、栃木県の那珂川、鬼怒川、茨城県の那珂川、霞ヶ浦、千葉県の印旛沼流入河川、手賀沼流入河川などが高めに出ているという傾向がわかります。一方で、山形県や岩手県、群馬県などは一部を除いては比較的低いという傾向があることがわかります。
この河川の底質のセシウム汚染が高い地域を、文科省が作成した航空機モニタリングによる汚染マップと比較すると、下図のマップとかなり相関していることがよくわかると思います。

今後もこのような河川の放射能を測定したデータは数ヶ月おきに発表されると思いますので、まとまった時点で地域別に調べてみたいと思います。
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一方、河川の汚染については環境省が中心になって測定をしてきました。そしてその結果は主に環境省のHPに掲載されています。このブログでは、昨年末に一度「12/25 環境省が発表している川の水質と底質のデータが増えています!」にご紹介しました。このサイトでは、川の水の放射能濃度、底質(川底の泥や砂)の放射能濃度、河岸の土の放射能濃度などを測定し、まとめてくれています。
福島県から始まった測定も、岩手県、宮城県、山形県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉・埼玉・東京で行われ、1回にとどまらず定期的に何回も行われています。茨城県が先日(8/10)、3回目の結果を発表しましたが、この発表は茨城県独自の調査結果も含めてわかりやすく表示してくれていましたので「茨城県の霞ヶ浦流入河川の第3回モニタリング結果発表(8/10)はわかりやすい!」でご紹介しました。
ここでは、環境省のデータについて、各測定結果へのリンクと、各県の状況の簡単な説明をします。主に川の底質の放射性セシウム(Cs-134とCs-137の合計値)についての現況を説明します。特に最後の千葉県、江戸川水系については関心が高い人が多いでしょうから、少し詳しくご紹介しようと思います。各県で独自に調査しているものもありますが、ここではあまりフォローできていないことをご了承ください。
なお、各県のデータに共通していることとして、川の水で1Bq/L以上の放射性セシウムが検出された例はありませんでした。
岩手県:
「岩手県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」2/17
岩手県の測定は一度しか行われていません。北上川を中心に行われています。

底質の放射性セシウムはCs-134とCs-137合計で300Bq/kg前後の地点が多く、最大でも990Bq/kgでした。他の県と比較してみると、あまり汚染されていないといえると思います。
宮城県:
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」12/16
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目)」3/30
「宮城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4月-6 月採取分)」8/10
宮城県では、昨年から3回行われています。宮城県では、多くの川が仙台湾に流れ込んでいます。福島県から流れてくる阿武隈川の下流の測定も宮城県分に入ってきますし、その他の仙台湾に流れ込む川のデータも気になるところだと思います。ただし、それなりの汚染はありますが、他県と比較すると阿武隈川流域以外ではセシウム合計で1000Bq/kgを超える地点はそれほど多いわけではありません。そこで、今回は詳細な解析は省略します。

山形県:
「山形県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について」12/22
山形県も昨年の1回しか行われていません。山形県には、最上川がありますが、下の地図を見る限り、最上川の河口付近までの下流は測定していないようです。
最上川水系の川の底質は、セシウム合計で、最高でも132Bq/kgとほとんど汚染されていません。あまり気にするレベルではないと考えられます。

福島県:
「福島県内の公共用水域の水質モニタリング調査における放射性物質濃度の測定結果(速報)について[PDF]」2011年6/3
「福島県内の公共用水域の水質モニタリング調査における放射性物質濃度の測定結果(速報)について [PDF:440KB]」8/1
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:987KB]」2011年11/15
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:5,415KB]」2/17
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(3回目) [PDF:5,304KB]」3/19
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4回目) [PDF:4,730KB]」3/30
「福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(4月-6月採取分) [PDF:409KB]」7/31
福島県は、一番回数も多く測定されていますし、汚染も一番ひどい状況です。データが非常に多いため、詳細な解析は別の機会に譲り、今回は省略させていただきます。

茨城県:
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,400KB]」 (平成23年12月2日)
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,844KB]」(平成24年3月30日)
「茨城県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(5月-7月採取分)[PDF:147KB]」8/10
茨城県は過去3回の測定が行われています。そして、3回目とほぼ同時期に茨城県独自の霞ヶ浦付近の測定も行われています。霞ヶ浦を中心に、那珂川、久慈川の測定を行っています。茨城県についての詳細は最近まとめた「茨城県の霞ヶ浦流入河川の第3回モニタリング結果発表(8/10)はわかりやすい!」にあるので省略します。

栃木県:
「栃木県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,473KB]」2011年12/6
「栃木県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,311KB]」3/30
栃木県は2回の測定が行われています。今年度に入ってからの発表はまだありません。
栃木県では、那珂川水系と鬼怒川水系でそれぞれセシウム合計で3000Bq/kgを超える底質のセシウムがあり、12月の測定と3月の測定では高い場所が移っているようです。一方で、南部の渡良瀬川の汚染はそれほどではありません。次回の結果でどうなるのか、要注意だと思います。
最後に述べますが、これは昨年3月のセシウム降下量が多かった地域と重なっていると思います。

群馬県:
「群馬県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,795KB]」1/13
「群馬県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,492KB]」3/30
群馬県の測定も、栃木県と同じく2回です。今年度に入ってからの発表はまだありません。
群馬県は、利根川水系の一部の底質で少し高めの数値が出ていますが、1000Bq/kgを超えるものはありません。ただし、湖沼では、特に北部の藤原ダムの藤原湖や坂本ダムの碓氷湖のように2000Bq/kgを超える場所もありますので、一部の地域では注意が必要です。この高めに出ている北部の地域は、栃木県と同じで昨年の3月にセシウムが多く降下した地域と重なっているようです。

千葉県、埼玉県及び東京都:
「千葉県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について [PDF:1,560KB]」2011年12/22
「千葉県、埼玉県及び東京都内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(2回目) [PDF:1,969KB]」3/30
「千葉県、埼玉県及び東京都内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(5月-6月採取分) [PDF:348KB]」7/31
千葉県、埼玉県、東京都です。こちらは全部で3回の測定が行われています。東京湾に注ぐ川がどういう汚染状態なのかがおそらくみんなの関心の的だと思います。測定されたのは下図の地点です。3回目の測定(5月~6月採取分)での地点番号を示します。

これまで3回の測定での底質のセシウム合計値を各地点毎に並べてみました。その結果、明らかにセシウム濃度が高いエリアと低いエリアがあることがわかります。手賀沼流入河川と印旛沼流入河川が特に高く、江戸川水系と利根川水系はあまり高くありませんでした。

もう少し詳しく見てみます。利根川水系では、1.の布鎌大橋と7.の新川水門が高めですが、あとは1000Bq/kgにいくかどうかというレベルです。一方、手賀沼流入河川では、14.の亀成橋以外は軒並み2000Bq/kgを超えており、8.の北柏橋と10.の上沼橋(どちらも柏市)では昨年よりも遙かに高くなり、今年の5-6月には10000Bq/kgを超えていることがわかります。
このことから、いわゆる東葛地域の汚染が高く、その汚染が陸上から河川に集積している可能性が考えられます。しかも、柏市などの汚染は利根川に行くよりも多賀沼や印旛沼に流入しているようです。

続いて印旛沼流入河川と江戸川水系です。印旛沼流入河川では、15.~21.では1000Bq/kg以上のかなり高い汚染が見られます(セシウム合計値)。一方、東側の22.~25.ではあまり高くありません。
江戸川水系では、上流の26.~30.は3000Bq/kg程度とかなり高い値ですが、江戸川、旧江戸川の観測地点は1000Bq/kg未満です。ただし、この地点は2回目、3回目と地点が追加されているため、1回目がどうだったのかはわかりません。おそらく、1回目の結果で上流が高かったため、下流のポイントを増やしたというのが実情だと思います。江戸川下流については、今後下流に底質のセシウムが移動するのかどうかが一つの注意すべきポイントだと思います。今のところはまだ上流から下流に移動している気配はありません。

その他、船橋市の海老川の八千代橋(45.)も6000Bq/kgのセシウムが検出されています。
全体を通して:
Srの測定結果が3/30に発表になっています。各県からセシウムの汚染が高いところを選んで一ヶ所は測定するようにしたようです。
「公共用水域における放射性物質モニタリングの追加測定結果について [PDF:2,681KB]」3/30
Sr-90/Cs-137は、非常に大ざっぱな計算ですが、1/1000=0.1%程度になっています。ここではそれだけをつかんでおけば充分かと思います。
ここまで全体を見てきましたが、福島県が一番高く、宮城県の阿武隈川流域、栃木県の那珂川、鬼怒川、茨城県の那珂川、霞ヶ浦、千葉県の印旛沼流入河川、手賀沼流入河川などが高めに出ているという傾向がわかります。一方で、山形県や岩手県、群馬県などは一部を除いては比較的低いという傾向があることがわかります。
この河川の底質のセシウム汚染が高い地域を、文科省が作成した航空機モニタリングによる汚染マップと比較すると、下図のマップとかなり相関していることがよくわかると思います。

今後もこのような河川の放射能を測定したデータは数ヶ月おきに発表されると思いますので、まとまった時点で地域別に調べてみたいと思います。
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