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地下貯水槽の汚染水漏れから1ヶ月(2):過去の漏えいとの位置関係を整理

 
今朝ニュースをチェックしていたら、今回の地下貯水槽からの漏洩事故に関連して掘られた海側観測孔からトリチウムが検出された、というニュースをやっていました。

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しかし、このNHKのニュース (NHKで見られなくなった時はこちら)、ちょっと不十分だと思うので解説を加えます。


今回のニュースは、新たに掘った海側の地下観測孔で週に一度行っているトリチウムの測定結果が発表されたものです。下の図のように、地下貯水槽の近くに全部で22個の浅め(10m前後)の観測孔(青い丸)と、海側に深め(深さ20m前後)8個の観測孔(紫の丸)を新たに設置しました。

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地下貯水槽の漏えいに関わる本日(5/2)の作業実績(PDF 253KB)より


昨日東京電力が発表したのは、地下貯水槽 トリチウム分析結果(平成25年4月24日分)で、下の図に示すように今回から新たに①~④までのトリチウムの測定結果が公表されました。その結果、3番と4番の海側観測孔ではトリチウムが検出されています。

5/3-3
地下貯水槽 トリチウム分析結果(平成25年4月24日分)より

確かにここでは3番と4番の海側観測孔でトリチウムが検出されています。その濃度も、3番で3800Bq/L、4番で930Bq/Lと高めです。ただし、トリチウムの場合はいわゆる告示濃度が60000Bq/Lと高いので、規制値を超えているわけではありません。また、この3番と4番では、塩素濃度も全βの濃度も高くないため、今回の漏洩事故に由来するものではない可能性が高いと考えても良いと思います。

では、なぜこんな濃度になるのでしょうか?NHKの報道によると、『東京電力は、この2か所の地下水については、含まれる塩素の濃度が低く、ほかの放射性物質も検出されていないなどとして、去年3月と4月に近くで起きた汚染水の漏えいなどによるもので、今回の貯水槽からの水漏れとは関係ないとみています』ということで、昨年の3月と4月の汚染水漏えいの影響だろうという説を東電が説明しているということです。

こういう話があった時に、そのまま聞き流してしまってはいけません。本当に東電が言うように近くであったのか確認しておく必要があるのです。私はこういう汚染水の漏えいの度にまとめていますので、過去のブログを参照すればすぐにチェックできます。

2011年12月
12/7 蒸発濃縮装置からの海へのSrの流出量は150Lで260億Bq!
など
2012年3月
3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報
など
2012年4月
4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?
など

これまでにも多くの汚染水漏洩事故は起こってきましたが、4kmにも及ぶ汚染水循環処理システムでの事故は、2011年12月、2012年3月、2012年4月に起こっています。2012年3月末の漏えい時に東電が発表した図を元に関係する情報を書き込んでみます。

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確かに、今回3800Bq/Lのトリチウムが検出された3番の観測孔は、2012年3月や4月の時に汚染水が漏えいした地点からかなり近いということがわかります。また、昨年の漏えい時には海への漏えい量がいったいどれだけか?ということにみんなの関心が集まっていたため、例えば4月の漏洩事故では「4/6 12トンのSr汚染水が海への流出のはずが実は150mlしか流出しなかった?」に書いてありますが、『12トンの漏えいのうち、11トンはアスファルトにたまってから地面にしみこみ、750Lが排水路に行ったという予想』を東電自身がしていたのです。

同様に2012年3月の漏洩事故でも、120トン漏れ出したうち海へはわずか80Lということで、この時は回収した汚染水もかなりあると思いますが、地下に染みこんでいった汚染水もそれなりの量があったと言うことを東電自身が認めているのです。

上の図にさらに地下貯水槽の位置を書き込んでみます。すると、今回漏洩事故があった2番や3番の地下貯水槽(図の左下)は、実は1年前には三日月池のあったところに作ったということがはっきりわかります。土壌改良はしたということですが、もともと地盤のよくないところに地下貯水槽を作ったのですね。

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過去の漏洩事故の結果、地下水が汚染されているというデータが出てきたということは、これまであまり問題ないと思われていた地下水バイパスについても注意して調べる必要があるということを意味します。下の図は、地下水バイパスのための揚水井の位置を示したものです。ここに今回の3番の観測孔などの位置を書き込みましたが写真をベースにしているので少しわかりにくいかもしれません。

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4/26 地下水バイパスの進捗状況および稼働に向けた準備について(PDF 754KB)より

この位置関係からすると、地下水バイパスの揚水井で地下水に影響が出るとすればC系統の9番~12番の揚水井だと思います。

今回のトリチウム検出は、地下貯水槽からの地下水への漏えいを示すものではなさそうですが、昨年の漏洩事故の影響があるとすると、別の意味で、地下水バイパスに用いる予定の地下水が汚染されている可能性があるということを浮き彫りにしてしまった出来事だったということがわかります決してNHKニュースでサラッと書いてあるように今回の漏えい事故と関係ないから問題ない、ということではないということを今回のニュースから読み取る必要があります。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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