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港湾内の海水でトリチウムが上昇!(6) 新しい地下水観測孔から全βで900,000Bq/L!

 
7/5、東京電力は新しく掘った地下水観測孔No.1-2において、全βが900,000Bq/Lであったことを発表しました。これまで全βは、No.1でも1500Bq/L程度、No.1-1でも4000Bq/L程度だっただけに、100倍以上の濃度です。

しかし、これは東電が当初からいっていたように、2年前のスクリーンからの流出事故の影響だとすればこの値自体は驚くことではありません。

今日発表されたデータを、全βを中心に見ていきたいと思います。


まずは観測孔No.1-2の位置からです。東京電力は別の資料でこれまでの観測データをまとめた資料も公表しています。(※ただし、No.1からNo.4のスクリーン海水(シルトフェンス内側)のデータが載っていませんので、次回はぜひこのデータも追加して載せて下さい。)そこに私にとっては非常に重要な資料がありましたので、掲載します。

7/5-1
(7/5 「タービン建屋東側における地下水及び海水中の放射性物質濃度の状況について」より)

この資料は、現在予定している地盤改良を行う場所を示すとともに、新しい地下水観測孔の場所を示してくれているものです。距離が示してあるというところが非常に重要です。

では、今回新たに設置された地下水観測孔No.1-2のデータを下の図に示してみましょう。比較のために、最新のNo.1とNo.1-1のデータも同時に示します。

7/5-2

No.1-2が全βで900,000Bq/Lということは、Sr-90は全βの60%前後ということがこれまでの経験でわかっていますから、この地下水にはSr-90がおおざっぱにいって500,000Bq/L入っているという計算になります。

ちなみに、2011年3/27時点での2号機タービン建屋でのSr-90は140,000,000Bq/Lですから、その1/30程度ということになります。地下水で希釈されたことを考えればうなずける数値ですが、逆にいうと1/30にしか希釈されていないので、かなり大量に地下水に流出しているということになります。

このあたりについては、2年前のスクリーン海水からの海への流出について昨年書いた「2号機からの海洋漏洩はいつ始まったのか?(2)細かく検証してみましょう Bバージョン」を書き直すつもりでいますので、今日は細かい説明は省略させて下さい。いずれ詳しく解説する予定です。

最後に、地下水観測孔だけでなく、港湾内の海水の情報もまとめた全βについての最新版を下図に示します。海水においては、100Bq/L程度の濃度でほぼ均等に分布しています。これを元に東京電力はこれまで、海水のデータに大きな変動はないので海への流出は確認できていない、と言っていますが、見方を変えると港湾内の海水の全βは2年近くもずっと100Bq/Lを超える値を示し続けているのです。これは、2年前からずっと、地下水が少しずつ海に流出しているという見方もできるのです。

7/5-3

今日はここまでにします。また新しい情報があれば続きを書きますのでお楽しみに。


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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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