汚染水タンクから最大300トンの漏えい!(3) 海への漏えい状況は?
8/22の「汚染水タンクからこれまで最大の300トンの漏えい!(2) 汚染水WGでの情報(一部訂正)」の続きです。汚染水タンクからの漏洩事故対応策などが発表されましたのでそのアップデートです。
8/23(金)に東電の記者会見(リンク先はtogetter)が行われました。4時間半もかかる異常な長さでした。しかもその質疑のほとんどが「確認します」という返事で、ある記者さんからは「今回「確認する」という回答が非常に多かったが、まわりにメモを取っている方がいるので、今回すぐに回答できずに確認することになったのはいくつか数を数えて数えてくれ。」という質問まで出たくらいです。
また、現段階(8/24)では東電のHPにしか資料が出ていませんが、経済産業省の「第5回汚染水処理対策委員会」も開催されました。その資料が東電HPの「福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ」に掲載されています。
1.前回からの進展と対応策
前回からの追加事項として、まずは同様のボルト締めタンクの総点検(8/22)を行いました。他に漏えいしている、あるいは水たまりがあるようなタンクはありませんでしたが、過去に漏えいしたとみられる箇所がH3エリアで2箇所見つかりました。H4エリアよりも北側(図では左側)です。

8/22 福島第一原子力発電所構内におけるボルト締めタンクの総点検結果について より
この2箇所というのは具体的には下図のような場所です。水はたまっていなかったそうですが、70mSv/hおよび100mSv/hという高い線量が検出されました。

8/22 福島第一原子力発電所構内におけるボルト締めタンクの総点検結果について より
幸いなことに、現段階では他のタンクからは漏えいが見つからなかったということですが、この間のワーキンググループでも指摘を受けたように、同様のタンク(350本ほどあるそうです)では今後同じような漏えいが起こる可能性がありますので、今後の対策は必須です。
それから、8/23には今回のH4エリアでの漏洩事故を受けての汚染土壌調査・地下水モニタリング計画が発表されました。大きく分けてAからEの5つの対策です。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
このうち、Aの地表面の線量調査は完了しています。データも公表されているのですが、目立ったデータはありませんでしたので、今回は省略します。
また、Bの汚染された土壌の回収も8/23から始めました。結果は今後出てくると思います。どれくらいの量が土壌中にあるのかが、海に流出した量を判断するための指標になるからです。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
Cの外周の浅深度ボーリング、土壌分析やDのタンク基礎下のボーリング、土壌分析については、下図がイメージしやすいと思います。これは浅深度ということで、地下5~7m程度にあると考えられている地下水よりも浅いところを掘って調べるということです。これらは来週から開始ということでした。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
なお、CとDの調査は下図の場所を予定しています。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
Eの地下水位以深へのボーリング、水質分析・地下水位測定調査については、地下水の下までボーリングして、水質を分析する事になります。この地下水の水質がどれくらい汚染されているのかどうかが一つのカギです。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
2.海洋への漏えいは?過去のデータとの比較
この計画以外に発表されたデータとしては、「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果」があります。

8/23 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果 より
8/22の測定データなのですが、上の表のようにBラインと呼ばれる排水路の水をサンプリングして全βを測定しています。前回に側溝で高い値(6mSv/h)を観測した場所の近くがB-1という場所で、そこから下流(右側)に向かってB-2、B-3、C-1とBラインの排水路が続いていて、Cラインと呼ばれる排水路と合流して海へ向かいます。
これまでのデータを追記して示します。特にC-1地点のデータについて、8/19測定分、8/20測定分、8/21測定分、8/23測定分を追加して日ごとの水位がわかるようにしました。なお、B-0というのは上流ですので、今回の漏洩事故の影響を受けていない可能性が高い地点としてデータを見た方がいいと思います。

この図を見ると、22日のデータとしては、濃度としては200Bq/L程度ですが、排水路までは全βが検出されていることがわかります。このデータを受けて、東京新聞ではストロンチウムを含む汚染水が海に流出したと書いています。(この東京新聞の記事の中でストロンチウムが検出されたというのは全βの間違いですので誤解のないように。)
確かにこのデータを見る限り側溝(C-1地点)をSrを含む水が流れたことは間違いありません。ただし、これまでに何度か海に流出したときの経験からすると、その濃度は約1/1000と低いのが今回の漏えいの特徴です。
何度も引用しますが、これまでにこの近くから海への流出があったときのデータが全てC-1付近でもサンプリングされ、全βのデータが残っています。私が過去に書いたブログにはそれらの重要なデータを整理してあります(自分自身でも見直すときに助かっています)。
2011年12月
「12/7 蒸発濃縮装置からの海へのSrの流出量は150Lで260億Bq!」
など
2012年3月
「3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報」
など
2012年4月
「4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?」
など
これらを読んでいただければ、セシウム除去装置を通した後の濃縮塩水がそのまま排水路に流れ出すと、例えば2012年3月26日の時には、下記に示すようにC-1地点の少し下流で50,000Bq/Lの全βが観測されています。しかもそれでいて下流の南放水口330m(T-2)ではわずか55Bq/Lしか検出できないのです。海洋で希釈されてしまいますから、排水路の1/1000程度に希釈されてしまうということがわかります。

2012年3月「3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報」より
それに対して、今回のデータを見るとC-1地点のデータは8/19から23日までのデータに大きな変動はなく、100~200Bq/Lです。この程度の濃度しかないということは、高濃度の汚染水が一気に流出したというよりも、かなり希釈されて徐々に出ているといったイメージの方が近いと思います。
少なくとも8/20以降は外から目に見える止水は行っているのですから、地表を通って流出することは考えられません。それでも8/23になってもC-1地点のデータが変わらないということは、地下に染みこんでいった水が排水路に流出し、それが徐々に流れているという事を示していると思います。
つまり、今回の漏洩事故では、直接地表から漏えいしたケースも一部にはあったと思いますが、それはごく一部であり、多くは地下水を通じて流出している可能性が示唆されます。今回、BラインやCラインの流量についても記者会見で質疑があったようですが、水は少量だが常に流れているということでした。
今後の地下水のボーリングのデータもチェックして総合的に考える必要がありますが、これまで発表されたデータと過去の漏洩事故のデータを合わせて考えると、以上のようなイメージが導き出されます。
だとすると、非常にめんどうなことになります。なぜかというと、過去の流出と比べて全βの濃度が非常に低いため、C-1地点のような場所でしか流出をチェックできません。海水は過去の例では排水路の約1/1000になるため、恐らく全く検出できないからです。今回はそれに加えて南放水口330mという地点がこれまでのT-2なのか、新しいT-2-1(さらに1km南に移動した地点)なのかという問題点がありますが、T-2で測定し続けたとしても恐らく今回の漏えいに関してはチェックできない可能性が高いと思います。
もし、この濃度(約200Bq/L)で流出したとすると、元の汚染水は80,000,000Bq/Lが最大300トンですから、400,000倍に希釈されていることになり、最大で120,000,000トンに希釈されている計算です。当初は、排水路を止めて水を全て回収したら、とも考えたのですが、こんな大量の水を回収することは実質的に不可能です。300トン流出したというのが本当だとしたら、地表近くで濃度の濃い状態で土壌あるいは地下水から回収するしかないと思います。
また、今回改めて感じたのですが、2011年12月や2012年3月の汚染水流出事故では、南放水口330mのT-2地点の観測が役立ちました。これらの事故で海に流出したのは実は150Lとか80Lしかないのですが、原液のまま排水路に流出したらT-2で十分に検出可能です。今回は希釈されて排水路に流出している可能性が高いのですが、今後直接流出するリスクを考慮すると、やはりT-2で全βの測定というのは復活させて続けるべきだと思います。
3.8/24の臨時会見
ほとんど書き終わっていたのですが、東電が臨時会見を行っていることに気がつきました。
「H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について」という資料に記載があります。
何のための会見かというと、簡単にいうと、例の漏れ出したNo.5のタンクは、元々は他のNo.3とNo.10と一緒にH-1エリアにありました。ところがH-1エリアのその部分が地盤沈下で20cmほど沈んでしまったため、解体してH-4に移動したそうです。それも本来ならばH-2に移動するはずだったようなのですが、なぜか現在のH-4に移動して使われていました。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
元々は、下の図の左側にあるH1エリアにあったのですが、水張り試験中に沈下が起こり、移設したそうです。そして2011年10月から運用を開始したということです。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
従って、今回の漏洩事故を起こしたNo.5のタンクは、H1エリアのNo.4タンクだったということが判明したということでした。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
そのため、H4エリアのNo.10、No.3も同様に漏れる可能性が高いことから、明日(25日)から二つのタンクの中身をこのエリアの空いているタンクに移設することにしたそうです。
今回の一件が原因の究明につながるのでしょうか?確かに他のタンクとは異なり、一度設置したものを移設したものということですし、他のタンクともメーカーが異なるようです。今回の漏えいが特殊要因に基づくものであれば、他のタンクでも漏えいが起こる可能性が少し少なくなります。しかしながら、すでに22日の総点検(しかもこれは1000トンのタンクのみで、500トンのタンクは行っていないそうです)によって、2つのタンクからは過去に漏れた形跡があることがわかっています。このことから、まだ安心はできないと思います。
また、事態に進捗があれば続きを書こうと思います。
また、現段階(8/24)では東電のHPにしか資料が出ていませんが、経済産業省の「第5回汚染水処理対策委員会」も開催されました。その資料が東電HPの「福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ」に掲載されています。
1.前回からの進展と対応策
前回からの追加事項として、まずは同様のボルト締めタンクの総点検(8/22)を行いました。他に漏えいしている、あるいは水たまりがあるようなタンクはありませんでしたが、過去に漏えいしたとみられる箇所がH3エリアで2箇所見つかりました。H4エリアよりも北側(図では左側)です。

8/22 福島第一原子力発電所構内におけるボルト締めタンクの総点検結果について より
この2箇所というのは具体的には下図のような場所です。水はたまっていなかったそうですが、70mSv/hおよび100mSv/hという高い線量が検出されました。

8/22 福島第一原子力発電所構内におけるボルト締めタンクの総点検結果について より
幸いなことに、現段階では他のタンクからは漏えいが見つからなかったということですが、この間のワーキンググループでも指摘を受けたように、同様のタンク(350本ほどあるそうです)では今後同じような漏えいが起こる可能性がありますので、今後の対策は必須です。
それから、8/23には今回のH4エリアでの漏洩事故を受けての汚染土壌調査・地下水モニタリング計画が発表されました。大きく分けてAからEの5つの対策です。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
このうち、Aの地表面の線量調査は完了しています。データも公表されているのですが、目立ったデータはありませんでしたので、今回は省略します。
また、Bの汚染された土壌の回収も8/23から始めました。結果は今後出てくると思います。どれくらいの量が土壌中にあるのかが、海に流出した量を判断するための指標になるからです。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
Cの外周の浅深度ボーリング、土壌分析やDのタンク基礎下のボーリング、土壌分析については、下図がイメージしやすいと思います。これは浅深度ということで、地下5~7m程度にあると考えられている地下水よりも浅いところを掘って調べるということです。これらは来週から開始ということでした。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
なお、CとDの調査は下図の場所を予定しています。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
Eの地下水位以深へのボーリング、水質分析・地下水位測定調査については、地下水の下までボーリングして、水質を分析する事になります。この地下水の水質がどれくらい汚染されているのかどうかが一つのカギです。

8/23 H4エリアの漏えいに係わる汚染土壌調査・地下水モニタリング計画について より
2.海洋への漏えいは?過去のデータとの比較
この計画以外に発表されたデータとしては、「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果」があります。

8/23 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果 より
8/22の測定データなのですが、上の表のようにBラインと呼ばれる排水路の水をサンプリングして全βを測定しています。前回に側溝で高い値(6mSv/h)を観測した場所の近くがB-1という場所で、そこから下流(右側)に向かってB-2、B-3、C-1とBラインの排水路が続いていて、Cラインと呼ばれる排水路と合流して海へ向かいます。
これまでのデータを追記して示します。特にC-1地点のデータについて、8/19測定分、8/20測定分、8/21測定分、8/23測定分を追加して日ごとの水位がわかるようにしました。なお、B-0というのは上流ですので、今回の漏洩事故の影響を受けていない可能性が高い地点としてデータを見た方がいいと思います。

この図を見ると、22日のデータとしては、濃度としては200Bq/L程度ですが、排水路までは全βが検出されていることがわかります。このデータを受けて、東京新聞ではストロンチウムを含む汚染水が海に流出したと書いています。(この東京新聞の記事の中でストロンチウムが検出されたというのは全βの間違いですので誤解のないように。)
確かにこのデータを見る限り側溝(C-1地点)をSrを含む水が流れたことは間違いありません。ただし、これまでに何度か海に流出したときの経験からすると、その濃度は約1/1000と低いのが今回の漏えいの特徴です。
何度も引用しますが、これまでにこの近くから海への流出があったときのデータが全てC-1付近でもサンプリングされ、全βのデータが残っています。私が過去に書いたブログにはそれらの重要なデータを整理してあります(自分自身でも見直すときに助かっています)。
2011年12月
「12/7 蒸発濃縮装置からの海へのSrの流出量は150Lで260億Bq!」
など
2012年3月
「3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報」
など
2012年4月
「4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?」
など
これらを読んでいただければ、セシウム除去装置を通した後の濃縮塩水がそのまま排水路に流れ出すと、例えば2012年3月26日の時には、下記に示すようにC-1地点の少し下流で50,000Bq/Lの全βが観測されています。しかもそれでいて下流の南放水口330m(T-2)ではわずか55Bq/Lしか検出できないのです。海洋で希釈されてしまいますから、排水路の1/1000程度に希釈されてしまうということがわかります。

2012年3月「3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報」より
それに対して、今回のデータを見るとC-1地点のデータは8/19から23日までのデータに大きな変動はなく、100~200Bq/Lです。この程度の濃度しかないということは、高濃度の汚染水が一気に流出したというよりも、かなり希釈されて徐々に出ているといったイメージの方が近いと思います。
少なくとも8/20以降は外から目に見える止水は行っているのですから、地表を通って流出することは考えられません。それでも8/23になってもC-1地点のデータが変わらないということは、地下に染みこんでいった水が排水路に流出し、それが徐々に流れているという事を示していると思います。
つまり、今回の漏洩事故では、直接地表から漏えいしたケースも一部にはあったと思いますが、それはごく一部であり、多くは地下水を通じて流出している可能性が示唆されます。今回、BラインやCラインの流量についても記者会見で質疑があったようですが、水は少量だが常に流れているということでした。
今後の地下水のボーリングのデータもチェックして総合的に考える必要がありますが、これまで発表されたデータと過去の漏洩事故のデータを合わせて考えると、以上のようなイメージが導き出されます。
だとすると、非常にめんどうなことになります。なぜかというと、過去の流出と比べて全βの濃度が非常に低いため、C-1地点のような場所でしか流出をチェックできません。海水は過去の例では排水路の約1/1000になるため、恐らく全く検出できないからです。今回はそれに加えて南放水口330mという地点がこれまでのT-2なのか、新しいT-2-1(さらに1km南に移動した地点)なのかという問題点がありますが、T-2で測定し続けたとしても恐らく今回の漏えいに関してはチェックできない可能性が高いと思います。
もし、この濃度(約200Bq/L)で流出したとすると、元の汚染水は80,000,000Bq/Lが最大300トンですから、400,000倍に希釈されていることになり、最大で120,000,000トンに希釈されている計算です。当初は、排水路を止めて水を全て回収したら、とも考えたのですが、こんな大量の水を回収することは実質的に不可能です。300トン流出したというのが本当だとしたら、地表近くで濃度の濃い状態で土壌あるいは地下水から回収するしかないと思います。
また、今回改めて感じたのですが、2011年12月や2012年3月の汚染水流出事故では、南放水口330mのT-2地点の観測が役立ちました。これらの事故で海に流出したのは実は150Lとか80Lしかないのですが、原液のまま排水路に流出したらT-2で十分に検出可能です。今回は希釈されて排水路に流出している可能性が高いのですが、今後直接流出するリスクを考慮すると、やはりT-2で全βの測定というのは復活させて続けるべきだと思います。
3.8/24の臨時会見
ほとんど書き終わっていたのですが、東電が臨時会見を行っていることに気がつきました。
「H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について」という資料に記載があります。
何のための会見かというと、簡単にいうと、例の漏れ出したNo.5のタンクは、元々は他のNo.3とNo.10と一緒にH-1エリアにありました。ところがH-1エリアのその部分が地盤沈下で20cmほど沈んでしまったため、解体してH-4に移動したそうです。それも本来ならばH-2に移動するはずだったようなのですが、なぜか現在のH-4に移動して使われていました。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
元々は、下の図の左側にあるH1エリアにあったのですが、水張り試験中に沈下が起こり、移設したそうです。そして2011年10月から運用を開始したということです。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
従って、今回の漏洩事故を起こしたNo.5のタンクは、H1エリアのNo.4タンクだったということが判明したということでした。

H4タンクエリアにおける漏えいに関する調査状況について より
そのため、H4エリアのNo.10、No.3も同様に漏れる可能性が高いことから、明日(25日)から二つのタンクの中身をこのエリアの空いているタンクに移設することにしたそうです。
今回の一件が原因の究明につながるのでしょうか?確かに他のタンクとは異なり、一度設置したものを移設したものということですし、他のタンクともメーカーが異なるようです。今回の漏えいが特殊要因に基づくものであれば、他のタンクでも漏えいが起こる可能性が少し少なくなります。しかしながら、すでに22日の総点検(しかもこれは1000トンのタンクのみで、500トンのタンクは行っていないそうです)によって、2つのタンクからは過去に漏れた形跡があることがわかっています。このことから、まだ安心はできないと思います。
また、事態に進捗があれば続きを書こうと思います。
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