25年度版:福島県のお米の放射能検査について
8/22からついに25年度産の福島米の収穫が始まりました。二本松で早場米刈り取りが始まったことはニュースになっています。
そして、昨年度と同様、福島県産のお米は全量全袋検査に回されるのです。
昨年度のこのブログを読んでいただいた方はご存じと思いますが、今年度の福島県のお米の放射能検査予定についてまとめます。
1.2013年(平成25年度)のお米の作付方針
福島県の前に、国として農水省が定めた方針を確認しておきましょう。今年の1/29に「「25年産米の作付等に関する方針」について」が農水省HPに出されました。平成24年度の結果を踏まえて、5つに分けることにしました。
『(1) 作付制限
帰還困難区域など、放射性セシウム濃度が基準値を超えない米が生産できることが検証されていない地域では、作付を制限します。
(2) 作付再開準備
避難指示解除準備区域など、今後1,2年程度で作付再開を目指す地域では、県及び市町村が管理計画を策定し、実証栽培を実施します。
(3) 全量生産出荷管理
25年産から作付を再開する地域又は24年産米で100 Bq/kgを超える放射性セシウムが検出された地域では、県及び市町村が管理計画を策定し、ほ場毎に吸収抑制対策等を徹底した上、生産量の全量を把握し、全袋検査を実施する条件で、作付を行います。
(4) 全戸生産出荷管理
24年産米で50 Bq/kgを超える放射性セシウムが検出された地域等では、農家毎に吸収抑制対策等を徹底して全戸検査を実施します。
(5) 地域単位で抽出検査
上記以外の地域では、必要に応じて吸収抑制対策等を行い、地域単位で抽出検査を実施します。
なお、福島県では全袋検査の体制を整えていることから、上記(4)(5)の地域において、全戸検査や抽出検査に代えて全袋検査を行うことを地域で選択できることとします。』
詳細は「25年産米の作付等に関する方針」に記載されていますので興味のある方はお読みください。
また、同じ農水省のHPに「米生産についてのQ&A」というページがあり、非常にわかりやすくまとめられています。例えば、作付制限区域と作付再開準備区域の違いはこのように説明されています。

言葉の意味がわかりにくいときはぜひこちらをご参照ください。
そして3/19、原子力災害対策本部長である総理大臣から、原子力災害対策特別措置法の規定に基づき、25年産米に関する作付制限等の指示が出されました。1月に決めた方針の(1)~(3)の部分に対する区域の設定や指示です。
基本的には作付制限、放射性物質の吸収抑制等の対策及び収穫後の検査を組み合わせて安全確保を図るのですが、一部地域については
(1) 作付制限、
(2) 作付再開に向けた実証栽培【作付再開準備】又は
(3) 全量生産出荷管理を前提として作付を再開若しくは継続【全量生産出荷管理】
を行うというものです。対象はほとんどが福島県ですが、昨年度は宮城県栗原市でも100Bq/kgを超える放射性セシウムを含む米が算出されたため、宮城県栗原市に対しても全量生産出荷管理を義務づけました。
今年度の作付制限区域は下記の通りです。これは、以前の警戒地域で、現在の分類では帰還困難区域、居住制限区域及び避難指示解除準備区域になっている区域が対象になります(川内村は違うようです)。
作付制限の対象地域では、稲の試験栽培を除き、食用、非食用を問わず稲の作付けができません。
なお試験栽培については、生産された米や稲わら等をすべて廃棄する必要があります。

福島県のHPに該当区域の地図が載っていますのでそれを掲載します。

福島県における作付再開準備区域は下記の通りです。
作付再開準備区域では、県及び市町村が策定した「管理計画」に定められた吸収抑制対策や乾燥調製機器の点検・清掃、全量全袋検査などを行うことにより、稲の作付けをし、基準値以下の米を出荷することができます。

25年度 福島県管理計画 より
この作付再開準備区域は、過去2年間作付をしていなかったので、ここがどれくらいのセシウムが検出されるかということが今年のポイントです。
全量生産出荷管理区域は下記の通りです。こちらも同様に管理計画に従い、生産、出荷を全量管理します。

25年度 福島県管理計画 より
なお、昨年度もありましたが、これらの区域については、「別添 対象区域における25年産稲の生産状況」という形でどの地域には何戸生産者がいて、それらの作付面積や予想収穫量はどれだけか、ということが一覧となって公開されています。
福島県のHPを見ると、「【稲作】25年産稲の作付制限及び25年産米の全量生産出荷管理の対象区域」というページでこれらの情報を確認することができます。
2.福島県の全量全袋検査
福島県のHPに「福島県産米の全量全袋検査」というページがあり、その中を読んでいくと全量全袋検査の仕組みがわかるようになっています。
特に全量全袋検査の映像を見たことがない人のために2分間の動画があり、それを見ればイメージが沸くと思います。(動画紹介ページは「全量全袋検査体制ができるまで」)
検査の流れとしては、今年はモニタリング検査なしに全量全袋検査を行うようなのでそこだけが昨年とは異なるようですが、基本的には昨年と同じです。
となると、昨年私が書いた「福島県の米の放射能 検査方法と結果はこう理解すればいい!」を見ていただければ良いと思います。ここには
・スクリーニング検査と確定検査の違い
・スクリーニングレベルの意味とは
・なぜ10秒で測定できるの?
といったことに関する解説がしてあります。昨年度のデータも用いられていますが、考え方は変わりませんので今年の検査にも通用するはずです。
そして、全量全袋検査の結果を直接みたい方は、「ふくしまの恵み安全対策協議会」のHPを見に行ってください。いつの間にかやさい(24種類)とくだもの(12種類)の項目が充実していました。

玄米については8/25朝の情報を載せておきます。まだ早場米の検査を始めたばかりなので338検体ですが、全てND(25Bq/kg未満)でした。

現在は平成25年産の情報が出てきますが、下の方の「平成24年産の検索はこちら」を押すと昨年度の結果が出てきます。ほぼ終了ですが、ちょうど1年前から10,339,725検体も測定したのですね。

玄米のデータについては、基本的に夜中にデータが更新されるようです。今年も、やれる限りデータをチェックして行きますので、よろしければツイートあるいは日々更新する専用の記事(今年度分はそのうち作ります:昨年度のページはこちら)をご覧下さい。
おまけ:興味のある方はぜひ福島の米の全袋検査をめぐる波紋というtogetterのまとめとそこからいけるリンクもご覧下さい。
福島県の前に、国として農水省が定めた方針を確認しておきましょう。今年の1/29に「「25年産米の作付等に関する方針」について」が農水省HPに出されました。平成24年度の結果を踏まえて、5つに分けることにしました。
『(1) 作付制限
帰還困難区域など、放射性セシウム濃度が基準値を超えない米が生産できることが検証されていない地域では、作付を制限します。
(2) 作付再開準備
避難指示解除準備区域など、今後1,2年程度で作付再開を目指す地域では、県及び市町村が管理計画を策定し、実証栽培を実施します。
(3) 全量生産出荷管理
25年産から作付を再開する地域又は24年産米で100 Bq/kgを超える放射性セシウムが検出された地域では、県及び市町村が管理計画を策定し、ほ場毎に吸収抑制対策等を徹底した上、生産量の全量を把握し、全袋検査を実施する条件で、作付を行います。
(4) 全戸生産出荷管理
24年産米で50 Bq/kgを超える放射性セシウムが検出された地域等では、農家毎に吸収抑制対策等を徹底して全戸検査を実施します。
(5) 地域単位で抽出検査
上記以外の地域では、必要に応じて吸収抑制対策等を行い、地域単位で抽出検査を実施します。
なお、福島県では全袋検査の体制を整えていることから、上記(4)(5)の地域において、全戸検査や抽出検査に代えて全袋検査を行うことを地域で選択できることとします。』
詳細は「25年産米の作付等に関する方針」に記載されていますので興味のある方はお読みください。
また、同じ農水省のHPに「米生産についてのQ&A」というページがあり、非常にわかりやすくまとめられています。例えば、作付制限区域と作付再開準備区域の違いはこのように説明されています。

言葉の意味がわかりにくいときはぜひこちらをご参照ください。
そして3/19、原子力災害対策本部長である総理大臣から、原子力災害対策特別措置法の規定に基づき、25年産米に関する作付制限等の指示が出されました。1月に決めた方針の(1)~(3)の部分に対する区域の設定や指示です。
基本的には作付制限、放射性物質の吸収抑制等の対策及び収穫後の検査を組み合わせて安全確保を図るのですが、一部地域については
(1) 作付制限、
(2) 作付再開に向けた実証栽培【作付再開準備】又は
(3) 全量生産出荷管理を前提として作付を再開若しくは継続【全量生産出荷管理】
を行うというものです。対象はほとんどが福島県ですが、昨年度は宮城県栗原市でも100Bq/kgを超える放射性セシウムを含む米が算出されたため、宮城県栗原市に対しても全量生産出荷管理を義務づけました。
今年度の作付制限区域は下記の通りです。これは、以前の警戒地域で、現在の分類では帰還困難区域、居住制限区域及び避難指示解除準備区域になっている区域が対象になります(川内村は違うようです)。
作付制限の対象地域では、稲の試験栽培を除き、食用、非食用を問わず稲の作付けができません。
なお試験栽培については、生産された米や稲わら等をすべて廃棄する必要があります。

福島県のHPに該当区域の地図が載っていますのでそれを掲載します。

福島県における作付再開準備区域は下記の通りです。
作付再開準備区域では、県及び市町村が策定した「管理計画」に定められた吸収抑制対策や乾燥調製機器の点検・清掃、全量全袋検査などを行うことにより、稲の作付けをし、基準値以下の米を出荷することができます。

25年度 福島県管理計画 より
この作付再開準備区域は、過去2年間作付をしていなかったので、ここがどれくらいのセシウムが検出されるかということが今年のポイントです。
全量生産出荷管理区域は下記の通りです。こちらも同様に管理計画に従い、生産、出荷を全量管理します。

25年度 福島県管理計画 より
なお、昨年度もありましたが、これらの区域については、「別添 対象区域における25年産稲の生産状況」という形でどの地域には何戸生産者がいて、それらの作付面積や予想収穫量はどれだけか、ということが一覧となって公開されています。
福島県のHPを見ると、「【稲作】25年産稲の作付制限及び25年産米の全量生産出荷管理の対象区域」というページでこれらの情報を確認することができます。
2.福島県の全量全袋検査
福島県のHPに「福島県産米の全量全袋検査」というページがあり、その中を読んでいくと全量全袋検査の仕組みがわかるようになっています。
特に全量全袋検査の映像を見たことがない人のために2分間の動画があり、それを見ればイメージが沸くと思います。(動画紹介ページは「全量全袋検査体制ができるまで」)
検査の流れとしては、今年はモニタリング検査なしに全量全袋検査を行うようなのでそこだけが昨年とは異なるようですが、基本的には昨年と同じです。
となると、昨年私が書いた「福島県の米の放射能 検査方法と結果はこう理解すればいい!」を見ていただければ良いと思います。ここには
・スクリーニング検査と確定検査の違い
・スクリーニングレベルの意味とは
・なぜ10秒で測定できるの?
といったことに関する解説がしてあります。昨年度のデータも用いられていますが、考え方は変わりませんので今年の検査にも通用するはずです。
そして、全量全袋検査の結果を直接みたい方は、「ふくしまの恵み安全対策協議会」のHPを見に行ってください。いつの間にかやさい(24種類)とくだもの(12種類)の項目が充実していました。

玄米については8/25朝の情報を載せておきます。まだ早場米の検査を始めたばかりなので338検体ですが、全てND(25Bq/kg未満)でした。

現在は平成25年産の情報が出てきますが、下の方の「平成24年産の検索はこちら」を押すと昨年度の結果が出てきます。ほぼ終了ですが、ちょうど1年前から10,339,725検体も測定したのですね。

玄米のデータについては、基本的に夜中にデータが更新されるようです。今年も、やれる限りデータをチェックして行きますので、よろしければツイートあるいは日々更新する専用の記事(今年度分はそのうち作ります:昨年度のページはこちら)をご覧下さい。
おまけ:興味のある方はぜひ福島の米の全袋検査をめぐる波紋というtogetterのまとめとそこからいけるリンクもご覧下さい。
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