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汚染水タンクから最大300トンの漏えい!(4) 測定地点T-2とT-2-1のその後

 
8/22に書いた「汚染水タンクからこれまで最大の300トンの漏えい!(2) 汚染水WGでの情報(一部訂正)」の続報です。

最近、東電の記者会見でも時々T-2とかT-2-1とかいう用語が出てきてなんのこっちゃ、という人もいると思いますが、その後の展開について補足する情報を今回は記載します。


1.T-2とT-2-1の場所

最近よくこのブログにコメントを下さるinjaさんという方から以前、「南放水口付近」はもともと1-4号放水口の南330mにあったのだが、2012年11/26以降はさらに1km南に移動しているという情報を教えていただいていました。

T-2「南放水口付近」という地点は、2011年3月から毎日測定されてきた地点で、T-1の「5-6号放水口北」と並んで重要な測定地点です。8/27の「第4回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」の資料にT-2とT-2-1を並べて書いてある資料がありましたのでそれに加筆して示します。図の右下です。
8/28-2修正
第4回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」資料3 60ページ に一部加筆

上の図で、C排水路というのが、今回も含めて過去何回も(セシウム処理済の)Srを含む汚染水が流出した経路の海への出口です。T-2はそこから数十m南に位置します。T-2-1は、図では近くにありますがニョロニョロが入っているのでわかるように、実はT-2よりもさらに1km南です。つまりこの図には入りきらないくらい南で、1-4号の放水口から1.3kmの地点にあります。
(また、オマケですが、上の図では新たに追加した観測地点の説明が入れ替わっているのでそれも赤字で修正してあります。)

そして、今回のH4タンクエリアとC排水路の関係を示した図が下の図になります。T-2の地点を(やや不正確ですが)付け加えてあります。B排水路とC排水路の交わる地点をC-1地点(B-C排水路合流地点)と呼ぶことを覚えておいてください。この地点も今回から観測に追加されました。

8/28-3
第4回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」資料3 59ページ に一部加筆

つまり、今回の事故の直前に追加されたT-0-1(北防波堤北)、T-0-2(港湾口東側)、T-0-3(南防波堤南)(これら3地点は週に1回サンプリング)に加えて、今回のH4タンクエリアからの漏洩事故を受けてC-1地点とT-2地点を新たに下表のように毎日全βとガンマ核種の測定を行うようにするということなのです。

8/28-4
第4回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」資料3 58ページ より

ですが、私は今回のこの表現にはちょっと頭にきました。T-2は「追加」ではないのです。「復活」なのです。残念ながら、27日のワーキンググループではそのことを理解していた人は誰もいませんでした。

今年8/12の「当社における海域モニタリング計画(H25年度, 改訂01)(訂正版)」を見ればわかりますが、

8/28-5
8/28-6
当社における海域モニタリング計画(H25年度, 改訂01)(訂正版)」より

南放水口付近には二つのポイント(T-2とT-2-1)があり、表の下の部分の注釈にこう書いてあります。

※3 T-2では侵食により海底土(砂)が採取できず等のため、代替としてT-2-1を新設。

上のようにはっきり理由が書いてあります。つまり、もともとはT-2を南放水口付近として測定地点として利用してきたわけですが、T-2では海底土も採取していたため、海底土がとれなくなったので2012年11月26日からT-2-1に変更してしまったのです。

8/28-11

そのため、現在の採取地点として生きているのは8/12時点ではT-2-1だけでした。上の表に(2)というのがなく、(2-1)があるのがわかると思います。これは、T-2-1で何を測定しているのかを示しています。

しかしながら、T-2地点にはもう一つこの地点でなくてはならない理由がありました。その理由は、東電HPの「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の核種分析結果」というページの下の方にある「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」という欄の下に書いてあります。

8/28-1
(8/22時点の東電HPより)
※現在は修正済

ここには、「淡水化装置(逆浸透膜式)から濃縮水貯槽への移送配管における漏水(平成24年3月26日、4月5日発生)を受けて、南放水口付近(1~4号機放水口から南側に約330m地点)で採取した水中に含まれる放射性物質の核種分析を行っております。」と、なぜこの地点で測定しているのかの理由が記載されています。

つまり、2012年3月、4月に起こった汚染水の海への漏洩事故を受けて、全βを毎日T-2で測定しておくことが、大量の汚染水漏えい、特にセシウム除去後でSrを多く含むRO濃縮水などの漏えいのモニタリングに非常に有用であることがわかっていたのです。

ということは、この地点を勝手に1kmも南に移動させてしまったら、タンクからの漏洩事故のモニタリングはできなくなってしまうのです。

詳細について知りたい方は下記のブログをお読みください。記事の中のリンクにさらに関連情報があります。

2011年12月
12/7 蒸発濃縮装置からの海へのSrの流出量は150Lで260億Bq!
など
2012年3月
3/28 Sr入り汚染水による海洋汚染その3 本日の最新情報
など
2012年4月
4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?
など

一方、同じページの上部にある「発電所付近の海水」という欄にあるデータはカレンダーの日付をクリックすると、
8/28-7

例えば8/28に公表されたデータはこのようになっています。

8/28-8
2013年8/28 発電所付近の海水 より

ここでは、2011年3月から続けられているようにγ核種、特にI-131とCs-134、Cs-137の測定がずっと続けられています。しかしながら、現在ではほとんどND(検出限界値未満)であることが多いです。また、全βなどは入っていません。

この表には放水口から1.3km南であることが明記されており、T-2-1であることがわかります。

それに対し、同じページの下の方にある「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」では、8/22時点の情報では下記のようになっており、いかにも放水口の南330m地点で全βを含めて測定しているかのような表現がされていました(8/28現在は修正されています)。

8/28-1
(8/22時点の東電HPより)
※現在は修正済

ここにあるデータを見ると、下のようになっており、
8/28-9
8/28「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」より

これだけ見ると、クリックする前の注釈と合わせて、いかにも放水口の南330mのT-2で全βを含めて測定しているように見えてしまいます。これが私が今回間違えて、injaさんの指摘を受けて「汚染水タンクからこれまで最大の300トンの漏えい!(2) 汚染水WGでの情報(一部訂正)」を書き直した理由なのです。


2.T-2とT-2-1のその後

8/21の「第3回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」のまとめとして「汚染水タンクからこれまで最大の300トンの漏えい!(2) 汚染水WGでの情報(一部訂正)」を書いたのが8/22の朝でした。


私はその時にはinjaさんから教えていただいたT-2がT-2-1に移動したことは知っていたのですが、8/22の朝の時点でHPを確認したところ、

8/28-1
(8/22時点の東電HPより)※現在は修正済

となっており、今年の2月分にまでついていた「※平成24年11月26日採取分より、サンプリングポイントを変更。(これまでの地点から南へ約1kmの地点にてサンプリングを実施)」という注釈がなくなっていました。

そこで、私はこの地点でのサンプリングを復活させたのだと思い、そのように記載しました。ところが、その日の夜になるとinjaさんからさっそくコメントが付き、一見復活させたように見えるが、HPの2箇所のデータを詳細にチェックすると実は同じ地点のデータであること、そして東電HPの表記が非常にミスリーディングであることを知りました。

そこで慌ててブログを修正したのですが、本当のところはどうなのか、そして東電としてはこの点をどう認識しているのかについて確認したいと思い、最近やり取りをするようになったおしどりマコさんに記者会見で質問してくれるようにお願いをしました。

彼女の素晴らしい点は、いろいろなデータを細かくチェックしており、私が2年半前の2号機からの漏洩事故において気にしている「スクリーン操作室電線管路」(詳細は「2号機からの海洋漏洩の真実は?2年前の漏洩事故を再検証 目次」参照)についても東電に対して追求していることです。従って、細かい説明をしなくても簡単にその問題点を理解してもらえて、質問をしていただきました。

おそらく、東電記者会見に出ている普通の記者に同様の質問を頼むことができたとしても、質問の内容を記者さんに理解してもらうのにかなり時間がかかったことと思います。おしどりマコさんを通じて東電に質問をできるようになって、私としては非常にありがたく思っています。

その結果、injaさんの指摘を受けて私が理解したように、「発電所付近の海水」はT-2-1であり、「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」もT-2-1であり、今年の2月分まで記載されていた「※平成24年11月26日採取分より、サンプリングポイントを変更。(これまでの地点から南へ約1kmの地点にてサンプリングを実施)」という記載が3月以降のHPには省略されていたという回答を引き出してくれました

その結果、現在では、今年の3月以降のHP上の表記にも省略されていた表現が復活しています。(※以下の表現)

8/28-10
8/28現在の「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果(2013年8月分)」より


結論として、T-2とT-2-1をめぐってはこのような事が起こったことになります。

2011年3月末から2012年11月25日まで、T-2(330m南)で測定を行っていた。γ核種のみ。
データは、「発電所付近の海水」としてHPに掲載。

2012年4月頃から、C排水路出口付近という位置づけでT-2において全βの測定も毎日開始。

2012年5月頃?からHP上に「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」としてデータをまとめて掲載。

2012年11月26日からT-2-1(1.3km南)に測定地点を変更。HPにもその旨記載。

2013年3月から、「1~4号機側南放水口付近の核種分析結果」に対する注釈が削除される。

2013年8月23日 おしどりマコさんが東電にT-2-1とT-2の違いを確認。

2013年8月27日頃削除された注釈が復活。

2013年8月27日 ワーキンググループで、今後はT-2でも全βとγ核種の測定を復活させる方針を明言。
ただし、東電はT-2についてはC-1と同様に「追加」と表現。


今回は、T-2とT-2-1に関する事実関係を整理し、現状をお伝えしました。東電に質問していただき、間違ったHP上の表現を修正させてくれたおしどりマコさんにはこの場を借りて感謝したいと思います。

また、結果的にT-2の測定地点で全βの測定が復活したことも、今回の漏洩事故には役に立たないかもしれませんが、今後あり得る漏洩事故の事を考えるとよかったと思います。ただ、7月頃から毎日T-2地点で全βを測定していたら何か検出していたかもしれない、と思うといつの間にかT-2-1に移動してしまっていたことは非常に残念です。

 
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コメント

1号機説(続編)

> 私としては、以前から気になっていた、2011年に顕著に見られたサブドレンNo.1の放射能が雨が降ると上がる現象が2012年以降はなぜか顕著に観察できなくなり、むしろ2号機のNo.27にその傾向(雨が降ると放射能濃度が上がる)が出てきたことが気になっています。そのあたりについても、データが公開されたので一度自分なりに検証してみるつもりです。この現象についても1号機流出説で説明できれば本物だと思います。

一つ考えておかないといけないのは、汚染源である原子炉・タービン建屋の汚染水のセシウム濃度が下がってきたことです。事故当初に比べると、2桁低下しています。これは、温度が低下したので、水に溶け出しにくくなってきたためと思います。
セシウム・イオンは地層(粘土鉱物など)に吸着されやすいので、地下水のセシウム濃度は抑制されますが、余りにも濃度が高いと吸着しきれず、濃度が上がると思います。最近は汚染水の濃度が下がってきたので、地下水の濃度変化が小さくなり、ほぼ平衡状態になっていると思います。即ち、鉱物表面に吸着されているセシウム・イオンと地下水(間隙水)中のセシウム・イオンとの間のイオン交換反応が平衡に達してきていると考えられます。水のイオン濃度が高いときには吸着される方向に、逆に水のイオン濃度が低い場合には鉱物表面に吸着されていたイオンが水の方に溶け出すことで、地下水のイオン濃度が一定に保たれると考えられます。
2号機のNo.27サブドレンの地下水分析値のCs134/Cs137比(3・11換算)は、おおむね1号機起源の低い値を示します。昨年行われたサブドレン浄化作業後の分析結果は、珍しく有効数字3桁で表示されており、おそらく分析精度が高いと思われますが、2012年6月18日に採取された試料のCs134/Cs137比(3・11換算)は0.891であり、1号機の特徴を示します。ところが、トリチウム濃度は、1号機No.1に比べて2桁ほど低いので、水の起源は主に普通の地下水と考えられます。これは、ちょっとした謎です。
サブドレン周辺の地層(埋め土)が酷く汚染されており(セシウムが大量に吸着されており)、そこに汚染されていない地下水が流れてきて、地下水側にセシウムが放出されている、とすれば説明できます。事故後の終息作業において、「水棺作戦」と称して注水量を増やし、1号機の格納容器を水で満たそうとしました。この作戦は失敗したのですが、この時、大量の汚染水が地下水系に流出し、地層が汚染されたと思います。その後、地下水の流れが集中する2号機と3号機の間を通過した通常の地下水が、No.27サブドレン付近にも流れてきて、汚染した地層に触れる事でセシウムを含むようになったと考えられます。
No.27サブドレンと1号機原子炉建屋の水位を比べると、2011年9月までは、1号機原子炉建屋の方が水位の高い時期とNo.27の方が高い時期が交互に現れたのですが、台風15号の豪雨で地下水位が上昇した2011年9月21日以降、No.27の方が高い状態が続いています。流れのパターンが変わったようです。それ以降1号機の汚染水がNo.27に流入することは無く、上記のように、既に汚染された地層から通常の地下水にセシウムが少し移行していると考えられます。
降雨・地下水位上昇・セシウム濃度上昇が連動していることは明らかですが、セシウム濃度上昇のメカニズムについては、色々と考えてみたのですが、よく分りません。あるいは、サブドレンより低いレベルの地層の汚染度が高く(これと平衡する地下水のセシウム濃度も高く)、地下水上昇に伴って、サブドレンの中に、低いレベルから濃度の高い地下水が流入するのではないか、とも考えましたが、これが正解なのかどうか、よく分りません。

> なお、もしよかったら管理者だけに表示できるコメントで連絡先(メルアドかtwitterアカウントなど)を教えていただけるとありがたいです。現状だとコメントいただける時にしかつかまえることができないので。

ご不便をおかけして申し訳ありませんが、暫くこのままコメント欄に寄生させてください。すみません。いずれ、自分のブログかそれに類するものを立ち上げようと思っております。

Re: 1号機流出説

injaさんあらため、ひとり事故調さん

> 画像をアップするためにFC2に新規登録したところ、injaという名前は既に登録されていたので、ひとり事故調に改名しました。今日から、ひとり事故調です。以後よろしくお頼み申します。

1号機流出説、ありがとうございました。
なぜサブドレンNo.1だけがH-3が高くてNo.2やNo.27が高くないかを説明できる魅力ある説ですね。また、No.0-1のH-3汚染を説明できる可能性があります。もうすぐNo.0-2のH-3のデータが出てくるので、それを見たらもっとわかるかもしれませんね。

ところで、サブドレン水位については、東電が公開したpdfをコンタンさんがxlsに落としてくれました。

https://twitter.com/Kontan_Bigcat/status/371957632648482817

ここで示されるリンクを押すとファイルがダウンロードされます。お試しあれ。

私としては、以前から気になっていた、2011年に顕著に見られたサブドレンNo.1の放射能が雨が降ると上がる現象(詳細は下記のブログの「3.おまけ」にあります)が
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-664.html

2012年以降はなぜか顕著に観察できなくなり、むしろ2号機のNo.27にその傾向(雨が降ると放射能濃度が上がる)が出てきたことが気になっています。そのあたりについても、データが公開されたので一度自分なりに検証してみるつもりです。この現象についても1号機流出説で説明できれば本物だと思います。

なお、もしよかったら管理者だけに表示できるコメントで連絡先(メルアドかtwitterアカウントなど)を教えていただけるとありがたいです。現状だとコメントいただける時にしかつかまえることができないので。

TSOKDBA

1号機流出説

> ところで、No.0-1がなぜトリチウムが高いのか、規制庁のWGでも話題ですが、以前injaさんが仰っていた1号機からの流出説でNo.0-1も説明できますか?1号機からの流出説、結構面白いな、と思っているので、よかったらそのうちに教えていただけますか。

No.0-1は1号機スクリーン北側の岸壁付近に設けられた観測孔で、最初に高いトリチウム値が報じられた観測孔No.1に比べると1桁低いものの、異常なトリチウム値が検出されています。No.0-1地点は、No.1観測孔や、目下、汚染水流出ポイントと目されている2号機スクリーン付近のトレンチからは、1号機スクリーンを隔てており、地下水の水理的な連続性は無いと考えられるので、No.0-1で検出されたトリチウムが2号機トレンチ由来のものか疑われている状況です。それでTSOKDBAさんも1号機流出説に興味を示されたと思います。
No.0-1の直近に位置する海側のモニタリング・ポイントは、海水のトリチウム濃度が最も高い「1~4号機取水口内北側海水」です。以前コメントしたように、遮水壁鋼管打ち込みの振動の影響で、護岸コンクリートの亀裂が形成・拡大し、地下水が海へ流出するスピードが増した結果、鋼管打設工事にシンクロして「1~4号機取水口内北側海水」のトリチウム濃度が上昇した、と推定しました。
素直に考えれば、「1~4号機取水口内北側海水」のトリチウムは直近の護岸から海に漏れ出ているものであり、No.0-1の分析値がトリチウム異常値を示すのは当然と考えられます。また、その起源は、素直に考えれば、1号機しかありえません。もし2号機起源の可能性があるとすれば、上流側の2号機タービン建屋から直接、あるいはこれに近接するトレンチから、地下水系に流出し、北東に流れるケースです。しかし、そのような証拠はありません。
1号機説の最も有力な証拠は、1号機原子炉建屋とNo.1サブドレンの水位が連動することです。次のグラフは、8月21日に東電が規制委に提出した、特定原子力施設監視・評価検討会、汚染水対策検討ワーキンググループ(第3回)資料2「タービン建屋東側における地下水及び海水中の放射性物質濃度の状況と対策」のP.16のグラフを合成したものです。

http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_795700/795695/full/795695_1378111490.jpg

元の資料では、1号機タービン建屋とサブドレンNo1の水位変化グラフと、1号機原子炉建屋とサブドレンNo.9のグラフが別々に分かれていたのですが、1つのグラフに画像合成しました。見やすいように、一部、色も変えております。注目していただきたいのは、1号機原子炉建屋(R/B)とサブドレンNo.1(SD-No.1)の水位が連動しており、水理的な連続性が明瞭なことです。特に、2012年2月頃から、連動性が明瞭で、しかも原子炉建屋の水位の方が数百ミリ高く、原子炉建屋からサブドレン側に水が流れていることを示しています。また、今年の5月頃から水位差が小さくなっていますが、これは遮水壁鋼管打設工事の振動の影響で、地層の透水性が上がり地下水の流れが速くなった可能性があります。
東電は、各建屋とその側のサブドレンの水位を比べて見せ、建屋の水位の方が低いので汚染水は外へ出ていません、と言いたいためにこのグラフを提示したと思います。2号機と3号機については、原子炉建屋とタービン建屋の水位変化の連動性が明瞭で、原子炉建屋からタービン建屋に汚染水が流れていることははっきりしています。従って、原子炉建屋の水位とタービン建屋側のサブドレン水位を比べる必要は無いでしょう。しかし、1号機については、原子炉建屋とタービン建屋の水位変化に連動性が見られず、水理的な連続性が低いと考えられるので、原子炉建屋の水位と、地下水の下流側に位置するタービン建屋側のサブドレン水位を比較する必要があるのです。なお、タービン建屋のグラフがノコギリ状になっているのは、時々汚染水を移送しているからです。
1号機の建屋の水位グラフが公表されたのは、この8月21日の資料が初めてだと思います。ごく短期間の水位変化を示したグラフは、以前公開されていたと思いますが、このように全期間を通してのグラフは初公開です。2・3号機の水位グラフは、以前から公表されており、汚染水が原子炉建屋からタービン建屋に流れていることを示すデータとして使われていました。ところが、1号機の水位グラフは、これまで全く公開されなかったのです。それは、彼らにとって都合の悪いデータなので、意図的に公表を避けたのだと思います。
前から1号機は変だと思っており、建屋とサブドレンの水位データを比較したいと思っていました。ある時期からサブドレン水位が公表されなくなり、建屋水位もアーカイブが見られなくなり、歯がゆい思いでおりました。最近、おしどりさんのおかげでデータが公表されるようになり、有難く思っています。自分でグラフを作るつもりなのですが、まだデータを拾いきっていないので、8月21日の資料に載っていたグラフを画像合成した次第です。

1号機汚染水流出の証拠として、水位データ以外に上げられるのは、サブドレンNo.1の水のトリチウム濃度が以前から異常に高いことと、Cs134/Cs137比が1号機の特徴を示すことです。これは前にご説明したとおりです。

次に汚染水の流出経路ですが、つぎの図のように推定しています。
http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_795700/795695/full/795695_1378111663.jpg
原子炉建屋とタービン建屋は、不透水層(泥岩層)の上に載っており、地下水にとってはバリアとなっていますが、1号機と2号機の間の小さな建屋(サービスエリア、コントロール建屋、廃棄物処理建屋)は、建屋が浅く、底が高い位置にあるので、不透水層との間に空間があり、おそらく埋土で満たされていると思います。これらの建屋の基礎について、事実関係は未確認で、あくまで推測ですが、まず間違いないと思っています。
この部分が地下水の集中する通路になっていると思います。川に例えれば急流の区間です。1号機の汚染水は、この部分を通って、海側に抜けていると思います。また、一部は2号機側に流入していると考えます。

この区間を抜けると、流れは扇状に広がると思います。真直ぐ東に流れるものは、1号機スクリーンと2号機スクリーンの間の部分(観測孔No.1付近)に達し、流れの一部は北に振れて1号機スクリーン北側のNo.0-1付近に行くと思います。鋼管打設工事の影響で、北に振れる流れの水量が増えたと推定されます。
http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_795700/795695/full/795695_1378111778.jpg

このように、取水口や湾内の海水のトリチウムやストロンチウム(全ベータ)が増えている原因は、1号機原子炉建屋の汚染水が直接地下水系に流出しているからです。海水のセシウムが増えないのは、途中の地層や埋土に吸着されるからです。
この流出を止めるには、原子炉建屋の水位を、タービン建屋東側(海側)の地下水位より相対的に低くしなくてはなりません。そのために、原子炉建屋の汚染水を直接汲み出すか、タービン建屋東側の地層に水を注入して地下水位を上げてやる必要があります。後者のやり方は。サブドレンNo.1を使ってできるので、すぐに実行してほしいです。

画像をアップするためにFC2に新規登録したところ、injaという名前は既に登録されていたので、ひとり事故調に改名しました。今日から、ひとり事故調です。以後よろしくお頼み申します。

Re: ありがとうございます

injaさん

こちらこそいろいろ情報を教えていただいてありがとうございます。T-2-1の話は、一時期細かくチェックしていなかったのでinjaさんに教えられなければ全くわかりませんでした。

> 東電が意図的に公表情報を縮減する件
> まず、建屋の水位データについてです。原子力安全保安院は、「地震被害情報」の中で、「たまり水水位」として15日分のデータを1枚の表にして公表していました。最後は2012年9月13日の第501報です。
> http://www.meti.go.jp/press/2012/09/20120913006/20120913006.html
> 私の記憶では、その数ヶ月前からアーカイブへのリンクが無くなっていましたが、ファイル名は年月日であり、過去のデータに直接アクセス可能な状態でした。ところが10月か11月頃からファイル名が、tai-newest-j.pdfに固定されてしまい、完全に古いデータにアクセスできなくなりました。

私は、昨年9月まで保安院が発表していたことを最近知りました。東電は2011年までしか公表しませんでしたからそれ以降はないと思っていました。過去データファイルに直接アクセスできるからいいや、と思っていたら、ある時にnewest-j.pdfに変わったと気がついて「やられた!」と思いました。injaさんの考察、その通りと思います。

ところで、No.0-1がなぜトリチウムが高いのか、規制庁のWGでも話題ですが、以前injaさんが仰っていた1号機からの流出説でNo.0-1も説明できますか?1号機からの流出説、結構面白いな、と思っているので、よかったらそのうちに教えていただけますか。

TSOKDBA

ありがとうございます

「南放水口付近」が1kmも移動していたのに気付いたのは5月の下旬でした。重要なモニタリング地点を大胆にも1kmも動かしたことにショックを受けたのと、ずっとウォッチしていたのに半年も気付かなかったことに悔しさというか二重のショックを受けました。マスコミがこれを採り上げていないか調べましたが、全く報じていないし問題視していないようでした。また、誰かが気付いて発信しているのではないかと思い、色々検索してみましたが、それらしきものは見当たりませんでした。
そのままの状態で放置する訳にはいかないと思い、主なマスコミ各社、地方紙、漁協、学会に情報を送ったのですが、全く反応は無く、サウンド・オブ・サイレンス状態でした。私のような虫ケラの意見など読んでくれる人はいないと諦めかけた時に、TSOKDBAさんのブログに辿り着き、この方なら理解していただけるのではないかと思い、コメントを付けさせていただいた次第です。また、おかげで、おしどりさんのご活躍を知ることができました。ありがとうございます。
ただ、今回のタンク漏洩に間に合わなかったのが残念です。こうなる前に採取地点が元に戻っていたら、(ほんとに300トンも流れ出たのなら)もっと早く異常が検知でき、流出量を減らせたと思います。

C排水路の出口周辺の海岸~海底の堆積物をすぐ調査してほしい件

昨夜TBSのニュースを見ていたら、問題の放水路の出口付近を空撮していました。砂かシルトか分りませんが、崖の下の海岸には堆積物があるのです。すぐに採取して全ベータ(とセシウム)を測定してほしいと思いました。そうすれば、ある程度は海への流出規模が推定できると思います。東電任せにせず、なぜ国がやらないのか、漏洩が発覚してからの対応の遅さに、毎度のこととはいえ、空しい気持ちになります。

東電が意図的に公表情報を縮減する件

汚染水の水位データは、TSOKDBAさん、おしどりさんのお力で、公表に至りました。ありがとうございます。この件では、公表していたデータを、ある時期から公表しなくなったり(サブドレン水位)、アーカイブを見られなくしたり(建屋水位)、と隙あらば情報を出さない方向、出さない方向に持って行きたいという、東電の根深い体質が感じられます。「南放水口付近」1km移動の問題も、不都合なデータは出さないどころか、測定もしない、という精神が感じられます。
まず、建屋の水位データについてです。原子力安全保安院は、「地震被害情報」の中で、「たまり水水位」として15日分のデータを1枚の表にして公表していました。最後は2012年9月13日の第501報です。
http://www.meti.go.jp/press/2012/09/20120913006/20120913006.html
この後、9月19日に原子力規制委員会が発足し、組織替えというか担当者も代わったのだと思います。おそらく役所の引継ぎがいいかげんで、「たまり水水位」は公表されなくなりました。
私の記憶では、その数ヶ月前からアーカイブへのリンクが無くなっていましたが、ファイル名は年月日であり、過去のデータに直接アクセス可能な状態でした。ところが10月か11月頃からファイル名が、tai-newest-j.pdfに固定されてしまい、完全に古いデータにアクセスできなくなりました。
このような状況から次のように推察しました。政府の組織変えに伴って、「たまり水水位」が引き継がれなくなったのを見て、また、おそらく新しい担当役人の認識なども見極めて、従来公表していたデータを、徐々に分らないようにしたと思います。
このような背景の下に、2012年11月26日採取27日公表の「1km移動」が行われたと思います。1ヶ月に1回しか採取されない海底土が採取できないという理由で、毎日採取・分析される海水の採取位置を1kmも移動させるのは、単純なミスではありえません。確信犯です。
推測ですが、タンクからのリークを見越して、汚染水タンク群の下流に当たるポイントを、意図的に1kmも動かしたと思われても仕方が無いのです。仮にそうでないと東電が主張したとしても、状況的には極めて疑わしいです。東電は、多少海に漏れ出してもたいしたことはないし、それをマスコミにとやかく言われるのは避けたい、という気持ちがあったと思います。

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Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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