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福島原発 汚染水関係データ 12/16 (護岸地下水の深さを変えたH-3のデータ)

 
福島原発 汚染水関係データ 12/6 (建屋周辺地下水)」の続きです。あの時に書いたように、まとめてから書こうとすると、なかなか書けないことがわかってきましたので、細切れにまとめていくことにします。

今回は、護岸地下水のデータで、深さを変えて測定したデータがやっと出てきましたので、それについてまとめたいと思います。


前回、「福島原発 汚染水関係データ 12/6 (建屋周辺地下水)」においては、主にSrのデータについてまとめました。今回はH-3についてです。

1号機、2号機周辺では、護岸付近だけでなく、建屋付近でもかなり多くの地下水観測孔が掘られています。Csはあまり検出されないのですが、H-3(トリチウム)と、Srを主に含む全β核種は場所によって多く検出されています。

直近で一番騒ぎになっているのは全β核種がNo.1-16という地点で最高1,800,000Bq/Lもの高濃度になったという話です。この地点の全β核種は、測定を始めた頃(9月末)から数十万Bq/Lはあったのですが、11月下旬からどんどん上昇し、12/12には1,800,000Bq/Lにまで達しました。その後12/13には1,400,000Bq/Lに下がりましたが、どこまであがるかはまだわかりません。


ですが、今回はこの話はちょっと置いておいて、H-3の話をします。実は、全β核種の分布とH-3の分布は合っていないのです。つまり、全β核種が高い所が必ずしもH-3が高いというわけではないということを示します。ただ、これはある意味当然のことであって、H-3は地下水と一緒に移動します。一方、主にSrは地下水よりもずっと遅い移動速度です。Csに至っては、ほとんどが土壌でトラップされるためにほとんど移動しません。ですから、No.1-16がH-3も高いかというと、一番高いわけではありません。

これまでにも「福島原発 汚染水関係データを可視化 その3(11/4版:随時更新予定)」などで書いてきたのですが、H-3に関しては、1号機のスクリーンよりも北側にあるNo.0-1という観測孔で20,000Bq/L近くもの高い濃度が検出されています。このH-3がいったいどこから来るのか、1号機のトレンチなのか、2号機からのケーブル管路経由なのか、いろいろな説があり、それを検証するための新たな観測孔がいくつも掘られてきました。

その結果、どうやら1号機のサブドレンNo.1あたりのH-3が、地下水の移動とともに、1T-3、No.0-4の付近を通って、No.0-1に達したのであろうということがほぼ結論できるようになってきました。一つの仮説としては、「12/1 NHKスペシャル「汚染水-福島第一原発 危機の真相-」より」に紹介したような可能性もシミュレーションで示されています。

12/16-1

ところで、No.0-1のH-3が高い原因を探る際、規制庁の汚染水対策検討WGにおいても、いろいろな指摘が委員の方から出されました。なかでも、安原委員が、深さを変えて地下水のデータを取らないと意味がない、という指摘を5回くらい行っても、東京電力は「検討させていただきます」と返事は良いのですが、全く対応してきませんでした。

第7回のWGにおいては、ついに規制委員会の更田委員もしびれを切らして、下記の議事録のように対応しろ、と迫り、東京電力も深さを変えて掘ることを約束させられました。

12/16-2
第7回WG 議事録(48ページ)より)

こうして掘られたのが、No.0-1の近くに掘られたNo.0-1-1とNo.0-1-2、No.0-3-1とNo.0-3-2です。
12/16-5
12/15 東電HP より)

No.0-1-1とNo.0-3-1は下記に示すように埋め戻し層という浅いところからサンプリングしたもので、No.0-1-2とNo.0-3-2はその下の中粒砂岩層からサンプリングしたものです。

12/16-3
第8回WG 資料1(33ページ)より)

なお、これまでのNo.0-1もまだ使用されています。こちらは、下記に示すような方法でサンプリングをしています。これまでの地下水観測孔は下図の右側のように、下から1mのところからポンプで採水していたのです。

12/16-4


では、この深さを変えたサンプリングではどういう結果になったでしょうか。少し上に示した図に比較できるように載せてあります。測定日によって数字は若干動きますが、大きな変動はありません

No.0-1-1:18,000Bq/L(埋め戻し層)12/7
No.0-1-2:65,000Bq/L(中粒砂岩層)12/1

No.0-1では、下層の中粒砂岩層の方が濃い濃度であることがわかります。

No.0-3-1:ND(検出限界値:110Bq/L)
No.0-3-2:64,000Bq/L

No.0-3でも同様に、下層の中粒砂岩層の方が濃い濃度であることがわかります。

No.0-1でも12/1にサンプリングが行われていて、その時のデータが27,000Bq/Lでした。No.0-1のデータは、No.0-1-1とNo.0-1-2の中間の値でした。No.0-1とNo.0-1-1は非常に近い位置にありますから、この違いはサンプリングの仕方によるものと考えて良いと思います。

今回、地表から8m程度ある埋め戻し層の汚染よりも、地下水のH-3はその下の中粒砂岩層の方がひどく汚染されているということがわかったということは、一つの知見を得られたと思います。

全ての観測孔でこのような分布をしているかどうかはわかりませんが、H-3についてはその可能性もあると考えてもいいのではないでしょうか。安原委員の指摘がやっとこういう形でデータになってきたのですが、肝心の汚染水対策WGが11月以降開催されていないのは悲しいことです。もう開催しないのでしょうか。復活してほしいものです。

 
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