汚染水処理対策委員会が12/10にまとめた対策
汚染水処理対策委員会は経産省(エネ庁)が主体となって組織している委員会ですが、、今年の4月に地下貯水槽が問題になってから、わずか3回で陸側遮水壁の導入を提言し(詳細は「地下貯水槽の汚染水漏れから1ヶ月(4):汚染水対策の本質的な解決策は?中編」参照)、そのあとは3ヶ月近くお休みをしていました。
東京電力が7月22日に海洋への漏えいが現在も続いていることを認めたあともあまり精力的に動かず、原子力規制委員会の汚染水対策検討WGなどが精力的に活動する中、何をやっているのだ、という声もありました。
それが、東京オリンピック招致のために「政府が前面に出る」と9月3日に宣言してから、汚染水処理対策委員会は重要な委員会として位置づけられ、年内にとりまとめを行うように義務づけられました。(詳細は「あまりにも多くなりすぎた汚染水の会議体を整理します。」参照)
「汚染水処理対策委員会において、現場の検討も踏まえ、更なる潜在的リスクの洗い出し、対策を随時追加。今月中から集中的に実施し、年内でとりまとめ。その後も必要に応じ実施。」
とあるように、年内にとりまとめをするように求められました。

(第11回汚染水処理対策委員会 資料より)
今回は、12/10の第11回汚染水処理対策委員会においてまとめられた対策をポイントを絞って簡単にまとめます。
汚染水処理対策委員会では、政府の宣言を受け、9月以降は現地調査を含めて精力的に検討を行ってきました。第3回と第4回の間隔がいかに空いていたかは、この開催実績を見ればすぐにわかります。

まず、委員会の下に二つの検討グループ、すなわち地下水挙動把握サブグループとリスク評価サブグループを設けて、そこで細かく検討を行いました。

(第11回汚染水処理対策委員会 資料より)
その結果、東京電力がまとめた資料よりも詳細な解析や検討を行い、まとめてくれています。汚染水処理対策委員会(第11回)の資料1-2 東京電力(株)福島第一原子力発電所における予防的・重層的な汚染水処理対策~総合的リスクマネジメントの徹底を通じて~(PDF形式:105,276KB)という資料は、ファイルのサイズが100MBを超えますが、後半には非常に多くの参考になる資料が掲載されています。
なぜこの資料がファイルサイズがこんなに大きいかというと、例えば83ページにある「福島第一原子力発電所周辺地形図」は、このページだけ切り出しても5MB程度ある大きなファイルなのですが、

拡大してみると1600%といった超拡大も可能で、書いてある文字もしっかり読める優れものです。

(1600%の超拡大図)
福島第一原子力発電所の中の細かい管路などの配置まで記載してあります。興味のある方はぜひお試し下さい。
地下水挙動把握サブグループの成果としては、これまでは1枚か2枚しか掲載されることのなかった地質の断面図が何枚も詳細に高画質で掲載されており、この敷地内の地層がどうなっているのかも比較的素人にもわかりやすい資料となっています。俯瞰図まで載っています。

断面図で一番わかりやすいのはおそらくこの下の図と思います。

この図の解説にあたる本文は下記です。
「福島第一原発の敷地は、元々はO.P.(小名浜港工事基準面を0メートルとする標高。以下同じ。)+35m程度の台地が海岸に接する海岸段丘であったが、発電所建設に当たりO.P.+10m程度の平地が造成されている。その地層は、地表面付近の段丘堆積物(埋戻し土を含む。)より下層が、富岡層と呼ばれる新第三紀に堆積した地層であり、上から中粒砂岩層(I層)、泥質部(II層)、互層部(III層)等が分布している。このうち泥質部(II層)とその下部の互層部(III層)が原子力発電所建屋の支持地盤となっている。互層部(III層)よりさらに下部の泥質部(IV層)の中にも透水性の高い砂岩層(細粒砂岩層、粗粒砂岩層)が存在するが、それらの砂岩層は建屋の建設による擾乱を受けていない。」(資料1-2 17ページ)
簡単にいうと、I層という中粒砂岩層は透水層であり、地下水が通るそうです。建屋付近の灰色の部分は、中粒砂岩層の上にある埋め戻し層という層で、こちらも中粒砂岩層と同等あるいはそれ以上に透水性がある地層です。
その下にあるII層は泥質部で、泥岩の地層です。ここはいわゆる難透水層で地下水が通りにくい地層です。その下にあるIII層は互層部で、こちらも透水性が高い層です。その更に下にもIV層として泥岩の泥質部があり、ここは難透水性の地層です。
地下水は、I層の中粒砂岩層を主に通りますが、III層も通っています。これまでの調査では、III層を流れる地下水は被圧地下水という圧力がかかっている地下水ですが、これまでの調査では放射性物質がほとんど検出されていないことから、汚染されていない可能性が高いというまとめになっています。(資料1-2 17ページ)
これらの解析モデルによる地下水水位と実測値を確認し、実測値からそれほど大きくずれていないことも確認してあります。
また、I層を流れる不圧地下水(地表に最も近い不透水層の上を流れる地下水)は、主に敷地内の雨水の浸透によるものであると分析されています。このことから、汚染された地下水を減らすために、敷地内の舗装などで雨水が地下水に流入するのを防ぐフェーシングという対策が考案されました。
これについては、実際に東京電力が12/11に敷地内の除染計画の中でフェーシングの計画も発表しています。
リスク評価サブグループの成果であるリスク評価についてはわかりにくいので省略しますが、現在行っている対策だけでは十分でないとして、予備的な対策や重層的な対策を考案し、こういうことも考えられるということを列挙しています。
東京電力が単独で行っていた時にはこのような対策は出て来ませんでした。これは、東京電力の場合はやはり営利企業であるため、コストが最重要視され、安全のためにはどうしたらいいか、もしうまくいかなかった場合にはどうしたらいいか、という視点で考えることができなかったのでしょう。そういう意味では、こういう委員会で検討していることは意味があると思いました。
そして、地下水流動解析とリスク評価を踏まえた対策として、これは東京電力が用いたキーワードをそのまま用いているのですが、「取り除く」「近づけない」「漏らさない」の3つに分けてそれぞれの組み合わせをシミュレーションし、どういうオプションがあり得るかを提示してくれています。
まず、「取り除く」対策としては、海側トレンチの高濃度汚染水のくみ上げが一番重要であるとしています。
次に、「近づけない」対策としては、特に地下水流道に影響を及ぼすものを詳細に解析しました。

(資料1-2 37ページ)
これらのオプションのはすでに実施済か、今後実施することが決まっているもので、O.P.4m盤での対策、地下水バイパス、海側遮水壁、サブドレン、陸側遮水壁などです。一つ一つの効果を評価した上で、それらを組み合わせて行うとどうなるか、というシミュレーションをしたものです。
陸側遮水壁とサブドレンは、建屋への流入量を低減する効果が大きく、汚染源に水を「近づけない」対策としては重要な位置づけであることが改めて確認できました。逆にいうと、この二つが十分に機能しないと、地下水流入抑制対策が十分に機能しないということもわかりました。
そのため、予防的・重層的な対策として、「広域的なフェーシングによる表面遮水」は効果があることが確認されました。ただ、このフェーシングについては、効果の発現にはかなり時間がかかるため、どのように実施していくかは検討課題とされました。
最後に、「漏らさない」対策としては、タンク容量の確保があげられます。これについては、東京電力が以前から行っているように、地下水バイパス、サブドレンの汲み上げ、地下水ドレンの排水などがうまくいくかどうかによって4パターンに分類され、一番うまくいくケースでは1年半後にはタンク容量に余裕が出てきますが、

地下水バイパスもサブドレンも機能しない場合には、下図のように1年半後にはタンク容量が逼迫するというシミュレーションを出しています。

上のケースでの地下水バイパスがうまく稼働するかどうか、ということを考える場合、やはりH-3(トリチウム)を含んだ汚染水(あるいはALPS処理水)をどうするのか、ということが一番の課題となってきます。というのも、H4エリアからH-3を大量に含んだ汚染水がすでに最大300トン地中に流出した可能性があり、地下水バイパスの水もいずれH-3で汚染される可能性があるからです。
汚染水処理対策委員会でもトリチウムの処理方法について、国内外から意見を募集しました。実際にはIRIDという技術研究組合を通じてトリチウム以外の他の技術も含めて募集し、約780件の意見が寄せられました。ただ、トリチウム除去についてすぐに使える技術はなかったということで、処理方法については今後も継続的な検討課題となっています。
東京電力は、当初はトリチウムを含んだ水については、ALPS処理水であれば、あるいは地下水バイパスで汲み上げた地下水であればそのまま海洋に廃棄するつもりだったと思います。というのも、原発が通常運転している時には、トリチウムというのは実は毎年膨大な量が海に放出されていた実績があるからです。

(「平成23年度 原子力施設における放射性廃棄物の管理状況及び放射線業務従事者の線量管理状況について」より一部抜粋)
従って、福島第一原発からトリチウムを含んだ汚染水を流してはいけない、という議論には必ずしもならないはずです。
しかしながら、東京電力は2011年4月4日に低濃度の汚染水を放出する際、関係各所への連絡を怠り、そのために全漁連などから猛烈な抗議を受けました。それがある意味トラウマになり、「汚染水の海への安易な放出は行わない。海洋への放出は、関係省庁の了解なくしては行わない」ということを必ず付け加えるようになっています。これはもう社会的な問題となってしまったのです。
今回、東京電力からこの問題について引き継いだ形になった汚染水処理対策委員会がトリチウムの扱いについてどういう判断を下すのか、注目です。今後の課題として、トリチウムについては大きく取り上げ、下記のように書いてあります。

「トリチウム水タスクフォースの設置について」という資料2に記載があるように、タスクフォースを新たに設置しましたので、このタスクフォースで今年度末には結論を出すようです。
トリチウム水をずっとタンクにため続けるのは現実的な回答ではありませんが、福島の海にそれを流すとまた風評被害だという話になります。これはおそらく科学的な議論だけではなく、政治的な判断も含む話になると思います。
以上、ざっと汚染水処理対策委員会がまとめた対策を振り返ってみました。「国が前面に出る」という宣言により、東京電力だけが行っていては出てこないような対策や資料が出てきたのは確かです。一方で、これらの対策がどこまで実効性を持つのか、特にトリチウム水の処理をどうするのかによって、タンク容量をどこまで確保しないといけないのか、という議論も変わってきます。
今回の汚染水処理対策委員会のまとめは一つの方針を示したものではありますが、その多くはこれまでの東京電力が行ってきた対策を追認しているだけという見方もできるため、今後これらの対策がどのように実行されていくのか、そして予期せぬトラブルにあった時にどのように対処し、その対応に関する情報公開をどこまで行ってくれるのか、見守って行きたいと思います。

まず、委員会の下に二つの検討グループ、すなわち地下水挙動把握サブグループとリスク評価サブグループを設けて、そこで細かく検討を行いました。

(第11回汚染水処理対策委員会 資料より)
その結果、東京電力がまとめた資料よりも詳細な解析や検討を行い、まとめてくれています。汚染水処理対策委員会(第11回)の資料1-2 東京電力(株)福島第一原子力発電所における予防的・重層的な汚染水処理対策~総合的リスクマネジメントの徹底を通じて~(PDF形式:105,276KB)という資料は、ファイルのサイズが100MBを超えますが、後半には非常に多くの参考になる資料が掲載されています。
なぜこの資料がファイルサイズがこんなに大きいかというと、例えば83ページにある「福島第一原子力発電所周辺地形図」は、このページだけ切り出しても5MB程度ある大きなファイルなのですが、

拡大してみると1600%といった超拡大も可能で、書いてある文字もしっかり読める優れものです。

(1600%の超拡大図)
福島第一原子力発電所の中の細かい管路などの配置まで記載してあります。興味のある方はぜひお試し下さい。
地下水挙動把握サブグループの成果としては、これまでは1枚か2枚しか掲載されることのなかった地質の断面図が何枚も詳細に高画質で掲載されており、この敷地内の地層がどうなっているのかも比較的素人にもわかりやすい資料となっています。俯瞰図まで載っています。

断面図で一番わかりやすいのはおそらくこの下の図と思います。

この図の解説にあたる本文は下記です。
「福島第一原発の敷地は、元々はO.P.(小名浜港工事基準面を0メートルとする標高。以下同じ。)+35m程度の台地が海岸に接する海岸段丘であったが、発電所建設に当たりO.P.+10m程度の平地が造成されている。その地層は、地表面付近の段丘堆積物(埋戻し土を含む。)より下層が、富岡層と呼ばれる新第三紀に堆積した地層であり、上から中粒砂岩層(I層)、泥質部(II層)、互層部(III層)等が分布している。このうち泥質部(II層)とその下部の互層部(III層)が原子力発電所建屋の支持地盤となっている。互層部(III層)よりさらに下部の泥質部(IV層)の中にも透水性の高い砂岩層(細粒砂岩層、粗粒砂岩層)が存在するが、それらの砂岩層は建屋の建設による擾乱を受けていない。」(資料1-2 17ページ)
簡単にいうと、I層という中粒砂岩層は透水層であり、地下水が通るそうです。建屋付近の灰色の部分は、中粒砂岩層の上にある埋め戻し層という層で、こちらも中粒砂岩層と同等あるいはそれ以上に透水性がある地層です。
その下にあるII層は泥質部で、泥岩の地層です。ここはいわゆる難透水層で地下水が通りにくい地層です。その下にあるIII層は互層部で、こちらも透水性が高い層です。その更に下にもIV層として泥岩の泥質部があり、ここは難透水性の地層です。
地下水は、I層の中粒砂岩層を主に通りますが、III層も通っています。これまでの調査では、III層を流れる地下水は被圧地下水という圧力がかかっている地下水ですが、これまでの調査では放射性物質がほとんど検出されていないことから、汚染されていない可能性が高いというまとめになっています。(資料1-2 17ページ)
これらの解析モデルによる地下水水位と実測値を確認し、実測値からそれほど大きくずれていないことも確認してあります。
また、I層を流れる不圧地下水(地表に最も近い不透水層の上を流れる地下水)は、主に敷地内の雨水の浸透によるものであると分析されています。このことから、汚染された地下水を減らすために、敷地内の舗装などで雨水が地下水に流入するのを防ぐフェーシングという対策が考案されました。
これについては、実際に東京電力が12/11に敷地内の除染計画の中でフェーシングの計画も発表しています。
リスク評価サブグループの成果であるリスク評価についてはわかりにくいので省略しますが、現在行っている対策だけでは十分でないとして、予備的な対策や重層的な対策を考案し、こういうことも考えられるということを列挙しています。
東京電力が単独で行っていた時にはこのような対策は出て来ませんでした。これは、東京電力の場合はやはり営利企業であるため、コストが最重要視され、安全のためにはどうしたらいいか、もしうまくいかなかった場合にはどうしたらいいか、という視点で考えることができなかったのでしょう。そういう意味では、こういう委員会で検討していることは意味があると思いました。
そして、地下水流動解析とリスク評価を踏まえた対策として、これは東京電力が用いたキーワードをそのまま用いているのですが、「取り除く」「近づけない」「漏らさない」の3つに分けてそれぞれの組み合わせをシミュレーションし、どういうオプションがあり得るかを提示してくれています。
まず、「取り除く」対策としては、海側トレンチの高濃度汚染水のくみ上げが一番重要であるとしています。
次に、「近づけない」対策としては、特に地下水流道に影響を及ぼすものを詳細に解析しました。

(資料1-2 37ページ)
これらのオプションのはすでに実施済か、今後実施することが決まっているもので、O.P.4m盤での対策、地下水バイパス、海側遮水壁、サブドレン、陸側遮水壁などです。一つ一つの効果を評価した上で、それらを組み合わせて行うとどうなるか、というシミュレーションをしたものです。
陸側遮水壁とサブドレンは、建屋への流入量を低減する効果が大きく、汚染源に水を「近づけない」対策としては重要な位置づけであることが改めて確認できました。逆にいうと、この二つが十分に機能しないと、地下水流入抑制対策が十分に機能しないということもわかりました。
そのため、予防的・重層的な対策として、「広域的なフェーシングによる表面遮水」は効果があることが確認されました。ただ、このフェーシングについては、効果の発現にはかなり時間がかかるため、どのように実施していくかは検討課題とされました。
最後に、「漏らさない」対策としては、タンク容量の確保があげられます。これについては、東京電力が以前から行っているように、地下水バイパス、サブドレンの汲み上げ、地下水ドレンの排水などがうまくいくかどうかによって4パターンに分類され、一番うまくいくケースでは1年半後にはタンク容量に余裕が出てきますが、

地下水バイパスもサブドレンも機能しない場合には、下図のように1年半後にはタンク容量が逼迫するというシミュレーションを出しています。

上のケースでの地下水バイパスがうまく稼働するかどうか、ということを考える場合、やはりH-3(トリチウム)を含んだ汚染水(あるいはALPS処理水)をどうするのか、ということが一番の課題となってきます。というのも、H4エリアからH-3を大量に含んだ汚染水がすでに最大300トン地中に流出した可能性があり、地下水バイパスの水もいずれH-3で汚染される可能性があるからです。
汚染水処理対策委員会でもトリチウムの処理方法について、国内外から意見を募集しました。実際にはIRIDという技術研究組合を通じてトリチウム以外の他の技術も含めて募集し、約780件の意見が寄せられました。ただ、トリチウム除去についてすぐに使える技術はなかったということで、処理方法については今後も継続的な検討課題となっています。
東京電力は、当初はトリチウムを含んだ水については、ALPS処理水であれば、あるいは地下水バイパスで汲み上げた地下水であればそのまま海洋に廃棄するつもりだったと思います。というのも、原発が通常運転している時には、トリチウムというのは実は毎年膨大な量が海に放出されていた実績があるからです。

(「平成23年度 原子力施設における放射性廃棄物の管理状況及び放射線業務従事者の線量管理状況について」より一部抜粋)
従って、福島第一原発からトリチウムを含んだ汚染水を流してはいけない、という議論には必ずしもならないはずです。
しかしながら、東京電力は2011年4月4日に低濃度の汚染水を放出する際、関係各所への連絡を怠り、そのために全漁連などから猛烈な抗議を受けました。それがある意味トラウマになり、「汚染水の海への安易な放出は行わない。海洋への放出は、関係省庁の了解なくしては行わない」ということを必ず付け加えるようになっています。これはもう社会的な問題となってしまったのです。
今回、東京電力からこの問題について引き継いだ形になった汚染水処理対策委員会がトリチウムの扱いについてどういう判断を下すのか、注目です。今後の課題として、トリチウムについては大きく取り上げ、下記のように書いてあります。

「トリチウム水タスクフォースの設置について」という資料2に記載があるように、タスクフォースを新たに設置しましたので、このタスクフォースで今年度末には結論を出すようです。
トリチウム水をずっとタンクにため続けるのは現実的な回答ではありませんが、福島の海にそれを流すとまた風評被害だという話になります。これはおそらく科学的な議論だけではなく、政治的な判断も含む話になると思います。
以上、ざっと汚染水処理対策委員会がまとめた対策を振り返ってみました。「国が前面に出る」という宣言により、東京電力だけが行っていては出てこないような対策や資料が出てきたのは確かです。一方で、これらの対策がどこまで実効性を持つのか、特にトリチウム水の処理をどうするのかによって、タンク容量をどこまで確保しないといけないのか、という議論も変わってきます。
今回の汚染水処理対策委員会のまとめは一つの方針を示したものではありますが、その多くはこれまでの東京電力が行ってきた対策を追認しているだけという見方もできるため、今後これらの対策がどのように実行されていくのか、そして予期せぬトラブルにあった時にどのように対処し、その対応に関する情報公開をどこまで行ってくれるのか、見守って行きたいと思います。
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