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東京電力の全β核種の測定はあまりにも杜撰だった!

 
2/5に「東京電力のSr測定法の誤りの原因判明。信じられない説明資料の作り方!」を書いて、Srの測定法がおかしかった理由がわかったという事をお伝えしました。同時に、その資料の概要版に一番重要な結論が記載されていないのは資料の作成方法としてはおかしい、ということを書きました。幸いなことに、この記事は多くの方に読んでいただけました。

これでもうSrの測定は問題ないと思ったのですが、昨日発表されたSrのデータを見たらビックリしました。Sr-90のデータが全βの5倍程度あるようなデータを平然と公表しているのです。今日はその話を書こうと思います。


まずは昨日(2/6)公表されたデータをご覧いただこうと思います。

0207-1
(2/6 報道配付資料 より)
0207-2
(2/6 報道配付資料 より)

黄色く塗ったように、No.1-2という地点(今はもう測定していません)の昨年7月と8月のSrが5,000,000Bq/Lおよび4,000,000Bq/Lと新たに発表されたのですが、対応するサンプルの全βのデータが7月は900,000Bq/L、8月は880,000Bq/Lと、全βよりもはるかに小さな値となっています。

本来、全β核種のデータとSr-90のデータの関係は、全β≧Sr-90でないとおかしいのです。もちろん測定誤差があるために若干Sr-90の方が大きくなることはありますが、Sr-90の方が全βよりも大きい、特にそれが5倍近くも大きいというのはあり得ないのです。

本日(2/7)の東京電力の記者会見において、この理由が「数え落とし」効果によるものであると説明がありました。

0207-3

0207-4

要するに、あまりに高濃度のサンプルを測定すると、正しく測定できないということで、これは放射能だけでなく多くの機器における測定において言えることなのです。しかし、測定データの信頼性を担保するために直線性のある範囲をスタンダードサンプルで予め確認しておいて、その範囲を超えた場合にはサンプルを希釈して測定をやり直すということは機器分析における常識です。

今回の東京電力の発表を見ると、昨年10月以降はマニュアルにおいて「平成25年10月2日以降は「数え落とし」効果が発生しないよう正しい手順書を制定し、計測を実施。」と書いてあるのですが、逆にいうとそれまではそういうことをやってこなかったということです。

はっきり言って、ちょっとこれはもう分析の初歩ができていないレベルとしかいいようがありません。

「数え落とし」は、その原理から言って、濃度の高いサンプルでしか起きません。今回(2/6)13件のSr-90のデータが発表されましたが、Sr-90>全βの逆転現象が起きたのはNo.1-2の非常に濃いサンプル2つだけでした。従って、他のサンプルについてはこのような逆転現象は起きていませんでしたが、この理由であれば納得はできます。

しかし、では過去のデータがいったいどこまでが信頼できるのか?ということについてはまだ大きな問題が残っています。今日の記者会見によると、事故が起こってから(2011年以降)昨年10月までの全βで、濃度の高いものについては見直し、サンプルの残っているものについては測定し直すということでした。サンプルの残っていないものは補正を行う事になるだろうということです。全β以外の核種についても大丈夫なのかどうか、そのあたりも本当は確認して欲しいところです。

本日の時事.comでは、100,000Bq/L以上の全β核種のデータについては再測定すると書いていましたが、記者会見では数値については言及していませんでした。また、いつまでにそれをやるかについても言及を避けていました。

ということで原因はわかったのですが、2/6の発表の時点で、当然のことながらこの逆転現象についてはみんなが疑問を持つでしょうから、発表する時点で注釈をつけるべきであったと思います。おそらく昨日多くの問い合わせがあったことと思います。このあたり、非常に不親切です。まさか昨日の発表時点ではこの逆転現象に気がつかず、指摘されて初めてわかったということなのでしょうか?このあたりの真相も知りたいところです。

データの見直しについては、「これまで測定したサンプルを全部見直すので、キングファイルに数100冊あって」と尾野さんは説明していましたが、測定データを全て紙で残しているのでしょうか?非常に膨大な数のデータを毎日測定していることはわかりますが、PCにデータとして入力して一元管理しておけば、毎日何件くらい測定していて、例えば100,000Bq/L以上のものを見直すといっても、すぐに数値がわかるはずなのですが、どうも東京電力はデータの管理方法についても根本的な問題を抱えていそうです。この機会にそういうところまで見直した方がいいと思います。

少なくとも、今日の会見では再測定のサンプルは数値で言うと何Bq/L以上のものとし、その対象はおよそ何件ある、くらいは発表して欲しかったと思います。

 

 
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コメント

Re: Re: Re: 過去データの書き換えという大ナタ

よっちゃんさん

もし9月以前のデータが5~10倍で、10/2以後は正しいとした場合に、同じ地点の9月から10/2以降のデータの整合性がとれるかどうか、ですよね。確かに1000万Bq/Lあったとしたらその分はどこへいったのだ?という議論になりますよね。

私もまだ個々のデータは見きれていないのですが、少なくともNo.1-2の例は辻褄が合わなくなるかもしれませんね。

ただ、補正をしようと思ったら機械的にある計算式に入れてしまえばできるという話も聞いたことがあるので、どれが該当するデータかということさえわかって、その計算式さえわかれば対応は簡単なはずなんですけどね。

Re: Re: 過去データの書き換えという大ナタ

ずいぶんお優しい考えをされてますね。自分の疑い深さに恐縮いたしますw

>No.1-2から北側のNo.1-16へ全βが移行していったことの説明になるのではないか?という説ですよね。南から北への移行というのは、個人的には考えにくいような気もするのですが、もう一度いろんな視点でデータを見直す必要が出てきたという事は同意します。

南→北というより、北北西という事ですね。海側遮水壁や水ガラス、ピットの影響で逆流し始めた、とする考え方です。(ちなみに私自身は、そう考えていませんよ)もしそう評価しはじめたら、それが目的だったんじゃぁと思ってしまうという事です。私の目下のにらみは、イットリウム-90効率は本当、数え落としはいくらなんでも嘘、という感触です。ひたすら先延ばしにしている、1-2号機間下部透水層の件もありますし。

>修正した全βのデータを発表してほしいものです。
連続したデータが出てこない事には、再評価もできない状況ですよね。金曜の会見では、10/2以前のデータの高濃度データに当てはまると明言していましたが、ひとつおかしな事に気がつきました。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2013/images/2tb-east_13100401-j.pdf
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2013/images/2tb-east_13101101-j.pdf
会見の10/2の日付けが確かなら、No.1-2の10/3、10/7採取分の全βは、当てはまりません。それぞれ、20万bq/L、25万bq/Lですが、ここに7/5の1000万Bq/L(推定)から着地するとしたら、動きの遅いβ核種が雲散霧消していった事になります。

このような例は、たぶん他にも出てくると思いますよ。だから私の予想では、10/2以前の全βの訂正がすべて行われる事は、当分無いと思います。それこそKINGファイルがどうこう言ってw

Re: 過去データの書き換えという大ナタ

よっちゃんさん

コメントありがとうございました。

いずれはバレることがわかっている「過去データの書き換え」ならばやらないのではないかと思います。当時は本当に能力がなくてこういう事態になってしまった(数え落としを行ってしまった)のだけど、その間違いの修正のタイミングを社内で議論していて、Srのデータを全部修正して出してからにしよう、という結論になったのだと私はにらんでいます。

それはともかくとして、No.1-2のデータが実は900,000Bq/Lではなく10倍として10,000,000Bq/L近い数値であれば、No.1-2から北側のNo.1-16へ全βが移行していったことの説明になるのではないか?という説ですよね。南から北への移行というのは、個人的には考えにくいような気もするのですが、もう一度いろんな視点でデータを見直す必要が出てきたという事は同意します。

早く修正した全βのデータを発表してほしいものです。

TSOKDBA

過去データの書き換えという大ナタ

今日の会見では、7/5採取のSr-90は、信頼性のある方のラボで5,000,000Bq/Lと出ていて、結局間違っていなかったと言っていました。全βが10倍のオーダーで違う可能性があって、他の研究機関にも助けを求めないで、半年放置するとは、科学的以前に「知性ある生き物として、反応がおかしい」と言わざるを得ませんね。

穿った見方ですが、今回のNo.1-2の全βは、7月から10月までの間、90万Bq/Lから20万Bq/L前後と概ね減少傾向で推移しており、これを10倍するとNo.1-16の急上昇とうまくリンクする様にも見えます。規制委の更田委員が最近強く言い始めた護岸汚染の【建屋起源説】を打ち消すデータになりえます。

真偽はともかく、東電が数え落としという名の「過去データの書き換え」を行ったのは、こういった背景があるのではないでしょうか。

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TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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