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4/15 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その19:「低レベル」の排水やっと判明!


今日の東京電力のHPに、前から気になっていた「低レベル」排水のデータがやっと発表されました。

発表文
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041505-j.html
pdf資料(データ)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110415f.pdf

公表したことは当然であり、今頃発表するのは遅すぎると思います。どうして放出前に発表しなかったのか?という疑問はありますが、それは言っても仕方ないことなので、発表しただけまし、と思ってデータを確認しましょう。

この「低レベル」廃液は、4/4に公表され、韓国などが「聞いていない!」と怒った例の海への意図的な放出です。もちろん、そのときには「高レベル」の排水がじゃじゃ漏れ↓になっていた
ピットからの漏れ

ときですから、それをこれ以上出さないためには仕方なかったという側面はあります。

実は、4/4の発表の時に記者会見で細かい数字をいろいろと発表していたようなのですが、いろいろな記事を読んでみても、みんな「成人の実効線量は、年間約0.6ミリシーベルトと評価しており、これは、一般公衆が自然界から受ける年間線量(2.4ミリシーベルト)の4分の1であります。」だけを記事にして、具体的な数値については記載がありませんでした。

唯一数値を乗せてくれていた日本経済新聞のWebページも、今は削除されたのか再編集されたのか、みつかりませんのでURLを引用できませんが、その記事のコピーを見ると、「同施設の汚染水中の放射性ヨウ素131の濃度は1立方センチメートル当たり0.87~6.3ベクレル。5、6号機近くの地下水は同1.6~20ベクレル。海に出ている高濃度汚染水に比べ10万分の1程度の濃度だ。」と書いてあります。

高レベルの漏出(上の写真)とは、東京電力がすでに発表しているデータでは、19億Bq/kgのCs-137、19億Bq/kgのCs-134、52億Bq/kgのI-131、3つ合わせて90億Bq/kgと非常に高い濃度でした。ヨウ素で考えると、52億Bq/kgの10万分の1というのですから、52000Bq/kgという計算ができます。一方、法定濃度の約100倍という報道もあり、それだとヨウ素131で4000Bq/kgとなり、10倍もの開きが出ます。そのため、いったいどれくらいの濃度なのか、非常に知りたいところでした。

今日発表されたデータは、下記の通りです。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110415f.pdf
日付を見てびっくりなのですが、3/28です。3月中にわかっていたので、放出するときに公表できたにもかかわらず、やはり今日まで隠蔽していました。

また、「今回、海洋へ放出された低レベル滞留水等の量は、集中廃棄物処理施設より約9,070トン、5号機および6号機のサブドレンピットより約1,323トン(5号機:約950トン、6号機:約373トン)であり、放出された全放射能量は約1.5×10(11)ベクレル(=1500億ベクレル)でした。」ということです。でも、この数字だけ見ても、意味がわからないと思うので、解説します。

集中廃棄物処理施設は、非管理区域と管理区域の二つのデータがあるため、平均をとるか、どちらかが極端に多い場合は多い方のデータで考えます(詳細がわからないので近似)。
I-131:6300Bq/kg×1000×9070(トン)=570億ベクレル
Cs-134:3550Bq/kg×1000×9070(トン)=320億ベクレル
Cs-137:3600bq/kg×1000×9070(トン)=326億ベクレル
合計:1216億ベクレル

5号機と6号機のサブドレンピットのデータも同様に計算します。
5号機
I-131:1600Bq/kg×1000×950(トン)=15億ベクレル
Cs-134:250Bq/kg×1000×950(トン)=2.4億ベクレル
Cs-137:270bq/kg×1000×950(トン)=2.6億ベクレル
合計:20億ベクレル
6号機(こちらは5号機の約10倍の濃度!
I-131:20000Bq/kg×1000×373(トン)=75億ベクレル
Cs-134:4700Bq/kg×1000×373(トン)=17.5億ベクレル
Cs-137:4900bq/kg×1000×373(トン)=18.3億ベクレル
合計:120億ベクレル

全部で、1216億+20億+120億=1340億ベクレルとなり、1500億ベクレルと少しずれますが、これは近似を使ったためでしょう。まあ、だいたいの数値の整合性は取れています。

さて、この後はいつものようにCs-137に絞って話をします。「低濃度」の水というのは、5,6号機では、(2.6+18.3)億/(950+373)トン=平均1587Bq/kg(法令の18倍)、集中廃棄物処理施設では平均3600Bq/kg(法令の40倍)の水が放出されたことになります

この数値を元に、9070トンあるいは1323トンの汚染水を海に放出したことが及ぼした影響を見てみます。

福島第一平面図

東京電力の発表では、放出した時期をそれぞれの地区のグラフに重ね合わせてくれています。
集中廃棄物処理施設は上の地図でわかるように1-4号の「1F南放水口付近(330m)」のすぐ近くですから、1F南放水口付近(330m)と比較します。
1-4号低濃度
3600Bq/kgを赤いラインで書き加えてあります。対数グラフであることに注意してください。

同様に、5号機と6号機のサブドレンピットは「1F5~6放水口北側30m」の近くですから、1F5~6放水口北側30mと比較します。
5-6号低濃度
1587Bq/kgを赤いラインで書き加えてあります。対数グラフであることに注意してください。

こうやってみると、5号機と6号機のサブドレンピットでは、「高濃度」の汚染水の方が「低濃度」よりも高いため、あまり影響していません。一方、集中廃棄物処理施設の近くの1F南放水口付近(330m)では、「低濃度」とほとんどかわりありません。ひょっとしたら「高濃度」の拡散した汚染水よりも高い「低濃度」の水を9070トンもまき散らしたため、1F南放水口付近(330m)に影響を及ぼした(数値が高く出た)可能性があります。
この可能性は、すでに「4/11 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その14」で指摘していたとおりです。ここのデータだけがおかしな挙動をしていたのです。予想通りでした。

東京電力は「発電所近傍を含めた測定ポイントにおける放射能濃度については、放出前1週間の推移と比較しても、大きな変動は見られませんでした。」と書いていますが、大事な測定データに悪影響を及ぼして、周辺の濃度よりも濃い汚染水を9000トンもまき散らしたのですから、単純に言い切るのはちょっとおかしいと思います。

もちろん、全体としては、2号機ピットからの「高濃度」の方が影響が強いのは確かです。「高濃度」で流れ出た水の全体量を知りたいところです。それにより、全体で何ベクレルくらい流れ出たのかを計算できますから。

12日に空気中への放出量の概算が出てきましたので、海洋への流出量の概算も早く出して欲しいです。




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これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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