今度はH6エリアタンク上部から100トンの汚染水漏洩!(2)誰がなぜバルブを開けた?
昨日(2/20)に「今度はH6エリアタンク上部から100トンの汚染水漏洩!」を書きました。続報を書くかどうかはその時点ではわからなかったのですが、本日の東京電力の資料を見ていると、昨日とはかなり事実関係が変わってきています。
そのため、本日の時点での情報をお伝えしたいと思います。特に昨日からの違いについて記載する予定ですので、そもそもの発生経緯については昨日の記事をお読みください。
本日(2/21)の東京電力の定例会見では、昨日以降にわかった情報に基づいて会見が行われました。その資料は報道配付資料として掲載されています。
まず、約100トンと予想される漏洩に対して約36トンを回収したということです。東京電力の資料を見て、一つだけ情報の伝え方として改善されていると思ったのは、このように一枚目にまず最初に伝えたいポイントをまとめて書くようになったところです。以前より少し進歩したと思います。こういう改善は今後も続けていって欲しいと思います。

上にも記載してあるのですが、昨日の説明では、3つあるバルブのうちの一番入口側の一つのバルブがしまっているはずなのに汚染水(濃縮塩水)が流れ込んだという説明だったのですが、実はこのバルブも開いていたことが判明したというのです。
えっ?どういうこと?という話なので以下に説明します。
まず、昨日はバルブに名前がついていなかったのですが、下の図のように関係する4つのバルブに名前がついていることが判明しました。

H6エリアの入口で3つ並んでいるバルブは、入口側から順にV347、V399、V401Cであることが判明しました。昨日の記者会見では閉まっているはずなのに何故か開いていたいたといわれていたバルブはV347ということになります。2/19の午前中はV347はしまっていて、Eエリアに向かうV346というバルブは開いていました。
ところが、たまたま(という説明でした)バルブの名前などを記載した銘板(めいはん)をつける作業をしていたため、報告書に載せるために取った写真が残っていました。下の写真は2/19の10時57分頃に撮られていた写真ですが、それを見るとV347、V399、V401Cのバルブは「開」、V346バルブは「閉」状態になっていました。
つまり、この時点では明らかにH6エリアに水が通るようなバルブの構成になっていたということです。

ところが、下に示すのは昨日の記者会見でも出てきた写真なのですが、タンク上部に作業員が上がって漏れていることを確認した、2/20の夜中の0時30分前後に撮った写真では、V399とV401Cは開のままなのですが、V347は「閉」になっていてV346は「開」に変わっていることがわかりました。
特に、バルブを操作するための赤いレバーが写真にはっきり映っています。先ほどの上の2/19の午前中の写真ではV347についていて、下の2/20の夜中の写真ではV347からははずれていてV346についています。
ということは、明らかに誰かがこの二つのバルブについて、開けたり閉めたりするという作業をしたということになります。

これらの情報を加味した形で、昨日の漏れ出したタンクの水位計のデータに、自動ポンプの駆動状態を加えて示したのが下のグラフです。グラフの一番上に四角で囲んで数字が1から3と記載してあるのが、それぞれ上に示した3つの図のバルブの状態に該当するようになっています。つまり、例えば2番でいうと、2/19の11時頃から24時頃の時間帯で、V347は「開」でV346は「閉」という状態で、Eエリアには濃縮塩水は行かない状態にあったということを示しています。

そして、2/19から2/20までの間に濃縮塩水のポンプが起動した時間帯が6回あることが記載されています。このポンプの流量(約40トン/時)と、「EエリアBグループの水位トレンド」というグラフ、そして昨日公表された該当するタンクの水位トレンドを見ていくと、どのように水が流れていったのかわかります。
1回目、2/19の9:00~10:32では、Eエリアの水位が上がっていて、H6エリアの水位が上がっていないことから、この時点では水はEエリアに流れていっています。
2回目、2/19の13:43~14:59では、Eエリアの水位は変わらず、H6エリアの水位が上がっています。ただし、よく見ればわかるように、97.9%から徐々に水位が上がり、14:20頃に一度100%に達したあとに水位がガクッと96%程度まで下がり、その後また99%になり、14:58には急激に下がっています。その後ハンチングを起こしてしまっているので水位計が壊れたと東京電力は判断しています。
水位計がどのようなものなのかがわかっていないのですが、私は14:20頃(これは最初の警報が14:01に鳴ったあとです)に水位が一時的にガクッと下がっているのが気になります。この時に何か水位計に起きたのではないか?この時はも水位が100%を超えているはずですが、そもそも水位が100%を超えた状態でも水位計が正しく機能するようになっていたのかどうか、そのあたりが気になります。もし水位計が壊れたとすると、水位が上がりすぎた事がきっかけとなってなにか起こったのではないかと思います。ただ、これはあくまで推測ですので、水位計に関しての詳しい情報が開示されることを望みます。
その後はH6エリアの水位計については信頼性がないのですが、Eエリアの水位計を見ていくと、4回目の21:50~23:00のポンプ駆動時までは一切動いていません。ということは、この時まではEエリアにつながるV346のバルブは閉まっていたということです。
そして、20日の0:30頃に作業員がタンクの上に上がり、写真を撮ったときにはバルブの状態が変わっています。そしてその後の5回目、6回目のポンプ駆動時にはEエリアの水位計の水位が上がっています。水位計のデータと写真のバルブの状態が矛盾なく一致しています。
ということで、昨日のバルブが壊れているのではないか?といった説明とは違い、状況はだいぶわかるようになってきました。しかしながら、バルブ操作が2/19の午前中と、2/20の0時頃の2回行われたのは間違いありません。東京電力の説明では、この時期に他の工事が行われる予定はなかったということですので、関係した作業員が間違ってバルブを操作したのか、あるいは誰かが意図的に操作したのか、という可能性が考えられます。
現段階ではまだ現場の聞き取りを続けている状況ということですので、もう少し状況がわからないとこのあたりの事実関係ははっきりしないものと思われます。
また状況に変化があれば続報を書きたいと思います。
まず、約100トンと予想される漏洩に対して約36トンを回収したということです。東京電力の資料を見て、一つだけ情報の伝え方として改善されていると思ったのは、このように一枚目にまず最初に伝えたいポイントをまとめて書くようになったところです。以前より少し進歩したと思います。こういう改善は今後も続けていって欲しいと思います。

上にも記載してあるのですが、昨日の説明では、3つあるバルブのうちの一番入口側の一つのバルブがしまっているはずなのに汚染水(濃縮塩水)が流れ込んだという説明だったのですが、実はこのバルブも開いていたことが判明したというのです。
えっ?どういうこと?という話なので以下に説明します。
まず、昨日はバルブに名前がついていなかったのですが、下の図のように関係する4つのバルブに名前がついていることが判明しました。

H6エリアの入口で3つ並んでいるバルブは、入口側から順にV347、V399、V401Cであることが判明しました。昨日の記者会見では閉まっているはずなのに何故か開いていたいたといわれていたバルブはV347ということになります。2/19の午前中はV347はしまっていて、Eエリアに向かうV346というバルブは開いていました。
ところが、たまたま(という説明でした)バルブの名前などを記載した銘板(めいはん)をつける作業をしていたため、報告書に載せるために取った写真が残っていました。下の写真は2/19の10時57分頃に撮られていた写真ですが、それを見るとV347、V399、V401Cのバルブは「開」、V346バルブは「閉」状態になっていました。
つまり、この時点では明らかにH6エリアに水が通るようなバルブの構成になっていたということです。

ところが、下に示すのは昨日の記者会見でも出てきた写真なのですが、タンク上部に作業員が上がって漏れていることを確認した、2/20の夜中の0時30分前後に撮った写真では、V399とV401Cは開のままなのですが、V347は「閉」になっていてV346は「開」に変わっていることがわかりました。
特に、バルブを操作するための赤いレバーが写真にはっきり映っています。先ほどの上の2/19の午前中の写真ではV347についていて、下の2/20の夜中の写真ではV347からははずれていてV346についています。
ということは、明らかに誰かがこの二つのバルブについて、開けたり閉めたりするという作業をしたということになります。

これらの情報を加味した形で、昨日の漏れ出したタンクの水位計のデータに、自動ポンプの駆動状態を加えて示したのが下のグラフです。グラフの一番上に四角で囲んで数字が1から3と記載してあるのが、それぞれ上に示した3つの図のバルブの状態に該当するようになっています。つまり、例えば2番でいうと、2/19の11時頃から24時頃の時間帯で、V347は「開」でV346は「閉」という状態で、Eエリアには濃縮塩水は行かない状態にあったということを示しています。

そして、2/19から2/20までの間に濃縮塩水のポンプが起動した時間帯が6回あることが記載されています。このポンプの流量(約40トン/時)と、「EエリアBグループの水位トレンド」というグラフ、そして昨日公表された該当するタンクの水位トレンドを見ていくと、どのように水が流れていったのかわかります。
1回目、2/19の9:00~10:32では、Eエリアの水位が上がっていて、H6エリアの水位が上がっていないことから、この時点では水はEエリアに流れていっています。
2回目、2/19の13:43~14:59では、Eエリアの水位は変わらず、H6エリアの水位が上がっています。ただし、よく見ればわかるように、97.9%から徐々に水位が上がり、14:20頃に一度100%に達したあとに水位がガクッと96%程度まで下がり、その後また99%になり、14:58には急激に下がっています。その後ハンチングを起こしてしまっているので水位計が壊れたと東京電力は判断しています。
水位計がどのようなものなのかがわかっていないのですが、私は14:20頃(これは最初の警報が14:01に鳴ったあとです)に水位が一時的にガクッと下がっているのが気になります。この時に何か水位計に起きたのではないか?この時はも水位が100%を超えているはずですが、そもそも水位が100%を超えた状態でも水位計が正しく機能するようになっていたのかどうか、そのあたりが気になります。もし水位計が壊れたとすると、水位が上がりすぎた事がきっかけとなってなにか起こったのではないかと思います。ただ、これはあくまで推測ですので、水位計に関しての詳しい情報が開示されることを望みます。
その後はH6エリアの水位計については信頼性がないのですが、Eエリアの水位計を見ていくと、4回目の21:50~23:00のポンプ駆動時までは一切動いていません。ということは、この時まではEエリアにつながるV346のバルブは閉まっていたということです。
そして、20日の0:30頃に作業員がタンクの上に上がり、写真を撮ったときにはバルブの状態が変わっています。そしてその後の5回目、6回目のポンプ駆動時にはEエリアの水位計の水位が上がっています。水位計のデータと写真のバルブの状態が矛盾なく一致しています。
ということで、昨日のバルブが壊れているのではないか?といった説明とは違い、状況はだいぶわかるようになってきました。しかしながら、バルブ操作が2/19の午前中と、2/20の0時頃の2回行われたのは間違いありません。東京電力の説明では、この時期に他の工事が行われる予定はなかったということですので、関係した作業員が間違ってバルブを操作したのか、あるいは誰かが意図的に操作したのか、という可能性が考えられます。
現段階ではまだ現場の聞き取りを続けている状況ということですので、もう少し状況がわからないとこのあたりの事実関係ははっきりしないものと思われます。
また状況に変化があれば続報を書きたいと思います。
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