農水省の発表した26年産米の作付制限等の対象地域
3/7、農水省は26年産米の作付制限等の対象地域を発表しました。
昨日ツイートでご紹介しましたが、汚染水と並んでお米の放射能に関する話題をフォローし続けているこのブログとしてはこの話題は外すわけにはいきませんので簡単にご紹介します。
このブログでは、2011年以来ずっと、お米の放射能について情報発信を続けてきています。2011年には各都道府県が発表しているお米の放射能の情報をずっとフォローしましたし、2012年には各都道府県の情報の他に、福島県を中心にお米の全量全袋検査の話と「ふくしまの恵み安全対策協議会」HPの情報を毎日フォローしてきました。
2013年は、福島県のお米の全量全袋検査の情報に絞って毎朝ツイートしてきました。それにより、2012年度との比較もできました。
一方、2012年まで得られた情報から、どういう対策を取ればいいかがかなりわかってきて、カリウム施肥が重要であるということもわかってきました。その結果、新たに2013年から作付を再開した南相馬市の旧太田村から27検体と旧福島市の1検体の合計28検体が基準値超えという事態になりましたが、旧太田村を除けば1検体だけということで、2012年(71検体)よりもずっと基準値超えを減らすことができてきています。旧太田村においてなぜこのような事が起きたのか、ということは農水省が福島県と一緒に検討をしたようですが、その詳細はまだ報告書が公開されていません。
3/10追記:「放射性セシウム濃度の高い米が発生する要因とその対策について~要因解析調査と試験栽培等の結果の取りまとめ~(概要 第2版)」が農水省のHPに出ていました。
原発事故後4年目になる2014年は、どこまで情報をフォローしていくかは今後考えますが、今年の作付制限地域の情報は発信しておく必要があると考えています。
まず、3/7の作付制限地域の発表の前に、2012年や2013年もそうだったのですが、2013年12/24に「26年産米の作付等に関する方針」というものが発表されています。
避難指示区域とそれ以外について、それぞれで考え方が示されています。

帰還困難区域は当然のことながら作付制限なのですが、居住制限区域では「農地保全・試験栽培」で試験栽培が、避難指示解除準備区域では「作付再開準備」ということで作付再開に向けた実証栽培等ができるようになっています。この「農地保全・試験栽培」というのは今年度から追加された区分です。

25 年産米の作付再開準備の地域については「全量生産出荷管理」に、25 年産米の全量生産出荷管理の地域及び 25 年産米で 50 Bq/kg を超える放射性セシウムが検出された地域 は「全戸生産出荷管理」と「全量生産出荷管理」よりもややゆるい管理方法になりました。その他の地域ではサンプリングを行うということになっています。
この「26 年産米の作付等に関する方針」は福島県だけでなく全国に対するものですので、福島県以外に対しても適応されます。福島県以外では、宮城県のごく一部を除いては2012年(平成24年)に基準値超えは出ませんでしたので、「その他の地域」ということになり、実質的にはこの上の分類は福島県を対象として行われているということになります。
ちなみに、農水省HPの「生産関係」というページには、2014年(平成26年度)だけでなく、過去の作付方針についても情報が載っていますので、興味のある方は確認してみてください。
さて、3/7に「避難指示区域等における26年産米の作付に係る取組について」という資料が発表されました。
作付制限地域が2013年の6000haから2100haと約1/3に減りました。その他の地域はそれぞれ作付制限地域などから移行していくために面積的にはあまり変化がありませんが、全体で約5300haが制限地域の対象外となりました。

(農水省HP より)
とは言っても、福島県においては全量全袋検査を本年も行うため、制限のない地域でも全量全袋検査を行うことに変わりはありません。
26年産米の作付制限等の対象地域の一覧です。


同時に、作付制限等の対象地域の地図も2013年度と比較する形で発表されました。この地図は昨年との比較があるため、非常にわかりやすいと思います。

作付制限などの区域をもう少し拡大した図が下の図です。

作付制限の地域は、南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の中の帰還困難区域です。7町村の中でも対象地域は2013年から2014年にかけて半分くらいの面積に減っています。全て作付制限地域だった富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村でも、今年度から新設された農地保全・試験栽培地域や作付再開準備地域が設定されています。
農地保全・試験栽培の地域は、富岡町、大熊町、双葉町、葛尾村の4町村で、大熊町、双葉町、葛尾村の作付制限地域を除いた地域(居住制限区域及び避難指示解除準備区域)と、富岡町の居住制限区域です。
作付再開準備地域は、南相馬市、川俣町、楢葉町、富岡町、川内村、浪江町、飯舘村の7市町村の中で、楢葉町全域と、富岡町の避難指示解除準備区域、それから南相馬市、川俣町、川内村、浪江町、飯舘村の避難指示解除準備区域及び居住制限区域です。川俣町、楢葉町、川内村、飯舘村の4町村は、2013年から2014年にかけて変化がありません。一方、富岡町と浪江町、南相馬市は、2013年は作付制限地域だったところが作付再開準備地域に変わっています。
昨年度に作付再開準備地域だった地域の中でも、南相馬市だけが全量生産出荷管理地域に区分が変わりましたが、それ以外の地域は作付再開準備地域のままです。これは市町村により対応が異なっていることを反映しているようです。
全量生産出荷管理地域は、2013年は多くの市町村で設定されていたのですが、昨年度の全量生産出荷管理地域は全て対象からはずれました。その代わりに、南相馬市の避難指示区域以外の区域が全量生産出荷管理地域に設定されました。この中には、2013年に基準値超えを出した旧太田村も含まれています。
今年度も適宜福島県のお米の情報についてはフォローしていきたいと思います。
参考:
福島県の水田畑作課のHP
ふくしまの恵み安全対策協議会HP
2013年は、福島県のお米の全量全袋検査の情報に絞って毎朝ツイートしてきました。それにより、2012年度との比較もできました。
一方、2012年まで得られた情報から、どういう対策を取ればいいかがかなりわかってきて、カリウム施肥が重要であるということもわかってきました。その結果、新たに2013年から作付を再開した南相馬市の旧太田村から27検体と旧福島市の1検体の合計28検体が基準値超えという事態になりましたが、旧太田村を除けば1検体だけということで、2012年(71検体)よりもずっと基準値超えを減らすことができてきています。旧太田村においてなぜこのような事が起きたのか、ということは農水省が福島県と一緒に検討をしたようですが、その詳細はまだ報告書が公開されていません。
3/10追記:「放射性セシウム濃度の高い米が発生する要因とその対策について~要因解析調査と試験栽培等の結果の取りまとめ~(概要 第2版)」が農水省のHPに出ていました。
原発事故後4年目になる2014年は、どこまで情報をフォローしていくかは今後考えますが、今年の作付制限地域の情報は発信しておく必要があると考えています。
まず、3/7の作付制限地域の発表の前に、2012年や2013年もそうだったのですが、2013年12/24に「26年産米の作付等に関する方針」というものが発表されています。
避難指示区域とそれ以外について、それぞれで考え方が示されています。

帰還困難区域は当然のことながら作付制限なのですが、居住制限区域では「農地保全・試験栽培」で試験栽培が、避難指示解除準備区域では「作付再開準備」ということで作付再開に向けた実証栽培等ができるようになっています。この「農地保全・試験栽培」というのは今年度から追加された区分です。

25 年産米の作付再開準備の地域については「全量生産出荷管理」に、25 年産米の全量生産出荷管理の地域及び 25 年産米で 50 Bq/kg を超える放射性セシウムが検出された地域 は「全戸生産出荷管理」と「全量生産出荷管理」よりもややゆるい管理方法になりました。その他の地域ではサンプリングを行うということになっています。
この「26 年産米の作付等に関する方針」は福島県だけでなく全国に対するものですので、福島県以外に対しても適応されます。福島県以外では、宮城県のごく一部を除いては2012年(平成24年)に基準値超えは出ませんでしたので、「その他の地域」ということになり、実質的にはこの上の分類は福島県を対象として行われているということになります。
ちなみに、農水省HPの「生産関係」というページには、2014年(平成26年度)だけでなく、過去の作付方針についても情報が載っていますので、興味のある方は確認してみてください。
さて、3/7に「避難指示区域等における26年産米の作付に係る取組について」という資料が発表されました。
作付制限地域が2013年の6000haから2100haと約1/3に減りました。その他の地域はそれぞれ作付制限地域などから移行していくために面積的にはあまり変化がありませんが、全体で約5300haが制限地域の対象外となりました。

(農水省HP より)
とは言っても、福島県においては全量全袋検査を本年も行うため、制限のない地域でも全量全袋検査を行うことに変わりはありません。
26年産米の作付制限等の対象地域の一覧です。


同時に、作付制限等の対象地域の地図も2013年度と比較する形で発表されました。この地図は昨年との比較があるため、非常にわかりやすいと思います。

作付制限などの区域をもう少し拡大した図が下の図です。

作付制限の地域は、南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の中の帰還困難区域です。7町村の中でも対象地域は2013年から2014年にかけて半分くらいの面積に減っています。全て作付制限地域だった富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村でも、今年度から新設された農地保全・試験栽培地域や作付再開準備地域が設定されています。
農地保全・試験栽培の地域は、富岡町、大熊町、双葉町、葛尾村の4町村で、大熊町、双葉町、葛尾村の作付制限地域を除いた地域(居住制限区域及び避難指示解除準備区域)と、富岡町の居住制限区域です。
作付再開準備地域は、南相馬市、川俣町、楢葉町、富岡町、川内村、浪江町、飯舘村の7市町村の中で、楢葉町全域と、富岡町の避難指示解除準備区域、それから南相馬市、川俣町、川内村、浪江町、飯舘村の避難指示解除準備区域及び居住制限区域です。川俣町、楢葉町、川内村、飯舘村の4町村は、2013年から2014年にかけて変化がありません。一方、富岡町と浪江町、南相馬市は、2013年は作付制限地域だったところが作付再開準備地域に変わっています。
昨年度に作付再開準備地域だった地域の中でも、南相馬市だけが全量生産出荷管理地域に区分が変わりましたが、それ以外の地域は作付再開準備地域のままです。これは市町村により対応が異なっていることを反映しているようです。
全量生産出荷管理地域は、2013年は多くの市町村で設定されていたのですが、昨年度の全量生産出荷管理地域は全て対象からはずれました。その代わりに、南相馬市の避難指示区域以外の区域が全量生産出荷管理地域に設定されました。この中には、2013年に基準値超えを出した旧太田村も含まれています。
今年度も適宜福島県のお米の情報についてはフォローしていきたいと思います。
参考:
福島県の水田畑作課のHP
ふくしまの恵み安全対策協議会HP
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- 26年度の福島県のお米の作付計画について (2014/04/06)
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