地下水バイパス:いきなりNo.12は運用目標値超え これを受けて東電の方針は?
今日の話は、4/8の「地下水バイパスで汲み上げた地下水は5月にも海へ放出へ」と4/13の「地下水バイパスの実施にあたっての運用目標とその問題点」の続きになります。
東京電力は毎週1回、揚水井の放射性物質濃度を測定して発表していますが、今回No.12の揚水井からH-3の値が1600Bq/Lと、運用目標の1500Bq/Lをいきなり超えてしまいました。これを受けて東京電力は規制庁の記者控え室で本日(4/17)の18時から記者レクを開催しました。
今回はこの話をお伝えします。
今回の記者レクの案内は、16時41分にツイッターで告知され、18時から行われました。わずか1時間20分前の告知で、これ以外の告知は東電のHPでもなかったようなので、知らなかったら行けない記者さんもいたと思います。ただ、大手メディアは規制庁のこの記者控え室にはだれか常駐しているようなので、大手メディアで規制庁に常駐している記者さんには情報が伝わるようになっているらしいです。
さて、今日の資料は毎週木曜日に発表されるいつもの揚水井のそれぞれのデータです。

(4/17 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 より)
No.12については、もともとH-3の値が他の揚水井よりも高くて1000Bq/Lに近かったのですが、今年になってから徐々に上がってきていました。これは、2013年のH-4エリア、あるいは2012年3月の汚染水漏れの影響が出てきている可能性があります。

3月になってからは1200Bq/Lが続いていたのですが、先週に1300Bq/Lになり、そして今回、4/15のサンプリングで今回のH-3が1600Bq/Lと、一気に運用目標値の1500Bq/Lを超えたわけです。先週の記者会見で、おしどりマコさんがNo.12のH-3は数ヶ月もしないうちに運用目標値をこえるのではないか、と聞いていましたが、いきなり今週超えるとは誰も予想していなかったと思います。
今回の事態を受けて、東京電力としてはNo.12の分析を明日再度おこなうということです。そしてその再分析結果によって、一時貯留タンク全体の値がH-3で1500Bq/Lを超えることがないという判断をしたら、No.12からも汲み上げを再開するということです。
現在はGr2の一時貯留タンクの水位計の一部が故障しているため、揚水は中断しています。しかし、Gr2の水位計の交換がおわったので、明日からまたNo.1からNo.11の揚水井については汲み上げを再開するということでした。汲み上げた水はGr2-1~2-3に移送するそうです。これは、前回の図でいうと、Step4にあたります。

(4/9 東電HP「地下水バイパスについて」 より)
一時貯留タンクのデータを第三者機関にも分析を依頼するということになっていましたが、4/9から第一弾として上の図のようにGr1-1に貯めた水(詳細は「地下水バイパスの実施にあたっての運用目標とその問題点」参照のこと)を日本分析センターに分析を依頼したようです。
記者からは当然のことながらNo.12については運用目標を超えたから汲み上げをやめるのではないのか?という質問が出ましたが、「地下水バイパスの実施にあたっての運用目標とその問題点」でもご紹介したとおり、東京電力は排水前の一時貯留タンクでの測定結果で判断するという答を返してきました。
この東京電力の回答は予想されたもので、揚水井を1個1個すべて測定していたら、測定数も12倍になるし、運用上も難しくなるので、一時貯留タンク全体での測定1回だけで行っていくと漁連にも説明しているし、その通りに運用していきたいという回答をくり返して行っていました。
また、実際に一時貯留タンクで運用目標を超えてしまった場合にはその水はどうするのか、別のタンクに移すのか、といった質問がありましたが、それに対してはまだ検討していない、という回答でした。
結局、この運用だと、どの揚水井も等量汲み上げていると仮定すると、No.12のH-3だけが濃度が高くなった場合は、18,000Bq/L近くに達しない限り、全体としてはH-3は1500Bq/Lにならないため、地下水バイパスの地下水を排出することができます。個別の揚水井のデータがなければ特に文句も出ないでしょうが、個別データが存在する以上、その運用は許されないのではないかと思いますが、この考え方に対して漁連や福島県がどう対応するか、だと思います。
内容としてはほぼ予想されたものでしたが、記者レクといいながら、これまでならば東京電力本社で臨時会見を行っていたのをなぜか規制庁の記者控え室で行うようにしたことと、説明者が(おそらく今泉さんに代わって新しく)白井さんという人に代わったということが大きな変化でしょうか。
今日の記者レクについては、コアジサシさんのtogetterのまとめと、そこから知ったIWJの動画を参考にさせてもらいました。
なお、関連しますが、昨日(4/16)東京電力のHPに、4/7の全漁連からの要望書に対する回答書が掲載されていましたので、それも情報としてお知らせしておきます。
今日は簡単ですがこれくらいにします。
さて、今日の資料は毎週木曜日に発表されるいつもの揚水井のそれぞれのデータです。

(4/17 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 より)
No.12については、もともとH-3の値が他の揚水井よりも高くて1000Bq/Lに近かったのですが、今年になってから徐々に上がってきていました。これは、2013年のH-4エリア、あるいは2012年3月の汚染水漏れの影響が出てきている可能性があります。

3月になってからは1200Bq/Lが続いていたのですが、先週に1300Bq/Lになり、そして今回、4/15のサンプリングで今回のH-3が1600Bq/Lと、一気に運用目標値の1500Bq/Lを超えたわけです。先週の記者会見で、おしどりマコさんがNo.12のH-3は数ヶ月もしないうちに運用目標値をこえるのではないか、と聞いていましたが、いきなり今週超えるとは誰も予想していなかったと思います。
今回の事態を受けて、東京電力としてはNo.12の分析を明日再度おこなうということです。そしてその再分析結果によって、一時貯留タンク全体の値がH-3で1500Bq/Lを超えることがないという判断をしたら、No.12からも汲み上げを再開するということです。
現在はGr2の一時貯留タンクの水位計の一部が故障しているため、揚水は中断しています。しかし、Gr2の水位計の交換がおわったので、明日からまたNo.1からNo.11の揚水井については汲み上げを再開するということでした。汲み上げた水はGr2-1~2-3に移送するそうです。これは、前回の図でいうと、Step4にあたります。

(4/9 東電HP「地下水バイパスについて」 より)
一時貯留タンクのデータを第三者機関にも分析を依頼するということになっていましたが、4/9から第一弾として上の図のようにGr1-1に貯めた水(詳細は「地下水バイパスの実施にあたっての運用目標とその問題点」参照のこと)を日本分析センターに分析を依頼したようです。
記者からは当然のことながらNo.12については運用目標を超えたから汲み上げをやめるのではないのか?という質問が出ましたが、「地下水バイパスの実施にあたっての運用目標とその問題点」でもご紹介したとおり、東京電力は排水前の一時貯留タンクでの測定結果で判断するという答を返してきました。
この東京電力の回答は予想されたもので、揚水井を1個1個すべて測定していたら、測定数も12倍になるし、運用上も難しくなるので、一時貯留タンク全体での測定1回だけで行っていくと漁連にも説明しているし、その通りに運用していきたいという回答をくり返して行っていました。
また、実際に一時貯留タンクで運用目標を超えてしまった場合にはその水はどうするのか、別のタンクに移すのか、といった質問がありましたが、それに対してはまだ検討していない、という回答でした。
結局、この運用だと、どの揚水井も等量汲み上げていると仮定すると、No.12のH-3だけが濃度が高くなった場合は、18,000Bq/L近くに達しない限り、全体としてはH-3は1500Bq/Lにならないため、地下水バイパスの地下水を排出することができます。個別の揚水井のデータがなければ特に文句も出ないでしょうが、個別データが存在する以上、その運用は許されないのではないかと思いますが、この考え方に対して漁連や福島県がどう対応するか、だと思います。
内容としてはほぼ予想されたものでしたが、記者レクといいながら、これまでならば東京電力本社で臨時会見を行っていたのをなぜか規制庁の記者控え室で行うようにしたことと、説明者が(おそらく今泉さんに代わって新しく)白井さんという人に代わったということが大きな変化でしょうか。
今日の記者レクについては、コアジサシさんのtogetterのまとめと、そこから知ったIWJの動画を参考にさせてもらいました。
なお、関連しますが、昨日(4/16)東京電力のHPに、4/7の全漁連からの要望書に対する回答書が掲載されていましたので、それも情報としてお知らせしておきます。
今日は簡単ですがこれくらいにします。
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