地下水バイパスの地下水は明日(5月21日)初めて海に放出へ
本日(5/20)、東京電力は規制庁の記者控え室で、本日福島県主催で行われた「平成26年度第2回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」における説明内容の説明を行いました。
一番のトピックスとして、明日5月21日の10時頃に地下水バイパスから初めて汲み上げて放射性物質が運用目標以下であることを確認した地下水を海に放出する事が正式にアナウンスされました(東電のHPにも掲載)。それに関連する情報を簡単にお伝えします。
最近の傾向として、定例会見以外は東電ではなく、規制庁の記者控え室を使って行われる傾向があります。そして、そのようなアナウンスは1時間とか2時間前にツイッターでアナウンスされます。本日は2時間前のアナウンスでした。
本日の会見(約90分)については、IWJとツイキャスがありますのでお好きな方をチェックしてください。
まず、今回放出されることになった地下水は、4月15日に汲み上げられており、東京電力と第三者機関としての日本分析センター、そして国から依頼を受けてJAEAが分析を行いました。第三者機関の結果は5/14に公表されており、本日の「平成26年度第2回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」で福島県に対して説明をして、運用方針などが了解された、という東電の説明でした。福島県漁連などについても説明を行い、コメントは特になかったということです。

(5/20 資料1-4「福島第一原子力発電所 地下水バイパスについて」 より)
測定値自体は先週すでに公開されていますが、今回新たに明らかになった情報は、福島県が東京電力に対して4/25に申し入れた内容に対する回答でした。
本日の資料1-3は「地下水バイパス計画の実施及び廃炉に向けた取組についての緊急申し入れに対する回答について」で、その申し入れに対する回答です。
そして、その回答に書かれていますが、今回はモニタリング結果が運用目標以上の結果になった場合の対応方針を明らかにしました。
まず、一時貯水タンクが運用目標を超えた場合は、全揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止します。そして再分析を行い、問題がないと明らかになった揚水井から汲み上げを再開します。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
一方、個別の揚水井の値が運用目標や定期水質管理値を超えた場合の対応は、全βとH-3とで異なります。全βが定期水質管理値(5Bq/Lまたは15Bq/L)を超えた場合は、全揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止します。


(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
一方、H3が運用目標以上の場合は、H3が運用目標以上の揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止しますが、他の揚水井は運転を継続します。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
どうして全βとH-3で対応が違うかというと、全βの場合は運用目標値は5Bq/L(10日に1回の測定では1Bq/L)なのですが、毎週各揚水井で測定している定期水質管理値は5Bq/Lもしくは15Bq/Lと運用目標値よりも高いため、念のために全揚水井を停止するという事なのです。
この全βの測定は、基準となる数値がいくつもあって非常にややこしいです。よく理解したい方は下の表をご参照ください。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
しかしながら、揚水井での個別の測定は行っているものの、地下水バイパスの一時貯水タンクの構造上、海に放出するかどうかの判断は全部を混ぜた状態で行います。そのため、4/15にあったように(詳細は「地下水バイパス:いきなりNo.12は運用目標値超え これを受けて東電の方針は?」参照)例えばNo.12のH-3が運用目標の1500Bq/Lを超えることは今後もありえます。
ただ、そのような場合でも、12個の揚水井を全て混ぜて1500Bq/Lを超えるか?というと、まずそのようなことは現状では考えられないわけです。なので、東電としては、個別の揚水井において運用目標値(H-3ならば1500Bq/L)を一時的に超えることがあっても、しばらく測定の頻度を高めてチェックし、全体として運用目標値を超えることがないと判断できれば再び汲み上げを開始するということでした。
また、これまでは個別の揚水井のモニタリングは週に1回でしたが、4月28日より、週1回定例モニタリングを行っている揚水井(12本)を偶数番号・奇数番号に分け、異なる曜日に採水(偶数:月曜、奇数:木曜)するように変更されました(偶数の例、奇数の例)。これにより、揚水井の急激な濃度上昇があった場合、隣接した揚水井の濃度について早期に傾向をつかむことができるようになるというのが東京電力の説明です。
その他、細かい説明は資料1-4「福島第一原子力発電所地下水バイパスについて」にありますので興味のある方はご覧下さい。
以上、今日の記者レクの状況を簡単にお伝えしました。
本日の会見(約90分)については、IWJとツイキャスがありますのでお好きな方をチェックしてください。
まず、今回放出されることになった地下水は、4月15日に汲み上げられており、東京電力と第三者機関としての日本分析センター、そして国から依頼を受けてJAEAが分析を行いました。第三者機関の結果は5/14に公表されており、本日の「平成26年度第2回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」で福島県に対して説明をして、運用方針などが了解された、という東電の説明でした。福島県漁連などについても説明を行い、コメントは特になかったということです。

(5/20 資料1-4「福島第一原子力発電所 地下水バイパスについて」 より)
測定値自体は先週すでに公開されていますが、今回新たに明らかになった情報は、福島県が東京電力に対して4/25に申し入れた内容に対する回答でした。
本日の資料1-3は「地下水バイパス計画の実施及び廃炉に向けた取組についての緊急申し入れに対する回答について」で、その申し入れに対する回答です。
そして、その回答に書かれていますが、今回はモニタリング結果が運用目標以上の結果になった場合の対応方針を明らかにしました。
まず、一時貯水タンクが運用目標を超えた場合は、全揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止します。そして再分析を行い、問題がないと明らかになった揚水井から汲み上げを再開します。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
一方、個別の揚水井の値が運用目標や定期水質管理値を超えた場合の対応は、全βとH-3とで異なります。全βが定期水質管理値(5Bq/Lまたは15Bq/L)を超えた場合は、全揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止します。


(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
一方、H3が運用目標以上の場合は、H3が運用目標以上の揚水井から一時貯水タンクへの移送を一旦停止しますが、他の揚水井は運転を継続します。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
どうして全βとH-3で対応が違うかというと、全βの場合は運用目標値は5Bq/L(10日に1回の測定では1Bq/L)なのですが、毎週各揚水井で測定している定期水質管理値は5Bq/Lもしくは15Bq/Lと運用目標値よりも高いため、念のために全揚水井を停止するという事なのです。
この全βの測定は、基準となる数値がいくつもあって非常にややこしいです。よく理解したい方は下の表をご参照ください。

(5/20 資料1-2「地下水バイパスのために汲み上げた地下水が運用目標等以上となった場合の対応方針 」 より)
しかしながら、揚水井での個別の測定は行っているものの、地下水バイパスの一時貯水タンクの構造上、海に放出するかどうかの判断は全部を混ぜた状態で行います。そのため、4/15にあったように(詳細は「地下水バイパス:いきなりNo.12は運用目標値超え これを受けて東電の方針は?」参照)例えばNo.12のH-3が運用目標の1500Bq/Lを超えることは今後もありえます。
ただ、そのような場合でも、12個の揚水井を全て混ぜて1500Bq/Lを超えるか?というと、まずそのようなことは現状では考えられないわけです。なので、東電としては、個別の揚水井において運用目標値(H-3ならば1500Bq/L)を一時的に超えることがあっても、しばらく測定の頻度を高めてチェックし、全体として運用目標値を超えることがないと判断できれば再び汲み上げを開始するということでした。
また、これまでは個別の揚水井のモニタリングは週に1回でしたが、4月28日より、週1回定例モニタリングを行っている揚水井(12本)を偶数番号・奇数番号に分け、異なる曜日に採水(偶数:月曜、奇数:木曜)するように変更されました(偶数の例、奇数の例)。これにより、揚水井の急激な濃度上昇があった場合、隣接した揚水井の濃度について早期に傾向をつかむことができるようになるというのが東京電力の説明です。
その他、細かい説明は資料1-4「福島第一原子力発電所地下水バイパスについて」にありますので興味のある方はご覧下さい。
以上、今日の記者レクの状況を簡単にお伝えしました。
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