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側溝放射線モニタの異常値計測、おそらくどこかから汚染水もれ(現在は収束へ)


久し振りに福島原発の汚染水の話です。
本日(2/22)、東京電力は構内に設けた排水路で、通常の100倍近い濃度の全βが観測された、という事を発表しました。本日は日曜日で記者会見がないためまだ詳細な資料がありません。速報としてわかっている情報だけお伝えします。


これまで福島第一原発においては、汚染水を処理するために多数のタンクを設置してきましたが、そこから汚染水が流れ出たときに構内を流れる排水路を通って汚染水が海に流出するという事故を何回か引き起こしています。

その経験を踏まえて、構内を流れる排水路については、海に直接流出する形だったのを港湾内に流すように流路の付け替えを行いました。それが完成したのが2014年のことです。

0222-1
東京電力HP 2014年7/17 より)

上の図で黄色のB排水路と青いC排水路が合流し、以前はC-2を通って海に直接流出したのですが、これまでの何回かの流出事故を受けて流路を付け替えて、1-4号機取水口、つまり港湾内へ流し込む形にしました。タンクから高濃度の汚染水が流出しても、直接海に流出することはないようにするためです。

この時の話は昨年7月に書いた「福島第一原発 やっと行われたC排水路の付け替えと側溝放射線モニタの設置」にまとめてありますので、興味のある方はご覧下さい。

とはいっても、港湾内の海水は潮の満ち引きによって毎日50%近くが港湾外の海水と入れ替わります。つまり、時間をかけて海に流れ出していくので、実質的にはあまり意味がありませんが、海洋流出はしていない、と言えるというのが東電にとってのメリットということだと思います。


さて、今回問題になっているのは全β核種です。東電の報道関係各位一斉メールが3つありますので、まずはそこから情報を抜き出してみます。

福島第一原子力発電所構内側溝排水放射線モニタ警報発生について
福島第一原子力発電所構内側溝排水放射線モニタ警報発生について(続報)
福島第一原子力発電所構内側溝排水放射線モニタ警報発生について(続報2)

「警報発生について」より
『本日(2月22日)午前10時頃、構内側溝排水放射線モニタ「高」警報が発生しました。その後、午前10時10分頃、構内側溝排水放射線モニタ「高高」警報が発生しました。

本日(2月22日)午前10時20分現在、当該放射線モニタの指示値については、以下のとおりです。
 A系:5.05×10^3Bq/L(全ベータ)
 B系:5.63×10^3Bq/L(全ベータ)

また、午前10時20分、全汚染水タンクエリアの止水弁「閉」の確認、35m盤上の汚染水移送の停止、排水路ゲート「閉」を指示しました。
 その後、以下のことを確認しております。
 ・午前10時25分、全汚染水タンクエリアの止水弁が「閉」となっていること
 ・午前10時30分、全汚染水タンクの水位に有意な変動がないこと』

「警報発生について(続報)」より
『本日(2月22日)午前11時46分までに、多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備、RO濃縮水処理設備、モバイルストロンチウム除去装置(A系・B系・第二の2および4)を停止し、35m盤の移送をすべて停止しました。

当該放射線モニタA系:午前11時50分 2.68×10^3Bq/L(全ベータ)
当該放射線モニタB系:午後0時20分 2.96×10^3Bq/L(全ベータ)
を確認し、「高高」警報が解除となりました。(「高高」警報設定値:3.0×10^3Bq/L(全ベータ))

本日(2月22日)午後0時20分、全汚染水タンクについて、タンクパトロールを完了し、漏えい等の異常がないことを確認しました。
本日(2月22日)午後0時47分、排水路ゲートをすべて「閉」にしました。

当該放射線モニタA系:午後1時30分 1.45×10^3Bq/L(全ベータ)
「高」警報が解除となりました。(「高」警報設定値:1.5×10^3Bq/L(全ベータ))

当該放射線モニタA系:午後2時50分 1.24×10^3Bq/L(全ベータ) (警報発生なし)
当該放射線モニタB系:午後2時50分 1.78×10^3Bq/L(全ベータ) (「高」警報発生中)

本日(2月22日)午後3時1分、当該排水路に溜まった水の排水のため、パワープロべスター(バキューム車)によるくみ上げを開始しました。現在排水路、排水路出口および港湾内のサンプリングを実施するとともに、警報発生の原因について引き続き調査を実施しております。


「警報発生について(続報2)」より
『「高高」警報発生後の当該放射線モニタ指示値の最大値は以下のとおりであり、流入箇所は特定できていないものの、排水路に汚染された水が流入し、発電所港湾内に流出したと推定しました。

 <構内側溝排水放射線モニタ指示値(最大値)>
   A系:5.63×10^3Bq/L(全ベータ)
   B系:7.23×10^3Bq/L(全ベータ)
(これについては時刻は現時点では不明)


側溝放射線モニタというのは下の図のような形で排水路から一部排水を引っ張ってきて、ガンマ線モニタとβ線モニタで(たしか常時)測定するものです。これが2系列あり、それがA系統、B系統と呼ばれるものです。
0222-2
東京電力HP 2014年7/17 より)

ここまで重要と思われる情報を抜き出しましたが、以下にまとめるとこういうことです。

・本日(2/22)の午前10時に側溝放射線モニタで「高」警報(設定値1500Bq/L(全β核種))が発生し、その10分後の10時10分には「高高」警報(設定値3000Bq/L(全β核種))が発生した。
・10時20分にはA系統で5050Bq/L、B系統で5630Bq/Lとなった。
・最大値はA系統で5630Bq/L、B系統で7230Bq/Lであった。(この時刻については不明だが、前後の経緯からすると恐らく午前10時台と思われる)

その後、タンクエリアでの移送を全て停止し、止水弁を「閉」にしたのが効いたのでしょう。12時頃には濃度が下がってきます。

・A系では午前11時50分に2680Bq/L、B系では午後0時20分に2960Bq/Lとなって「高高」警報が解除されるレベルにまで低下した。
・A系では午後2時50分に1240Bq/L、B系では午後2時50分に1780Bq/LとなってA系統は「高」警報が解除されるレベルにまで低下した。

これを見ると、午前10時頃に急に全βの濃度が上昇したものの、数時間で下がりつつあります。おそらくはどこかのタンクかあるいは移送中に汚染水漏れが発生し、それをモニタで検知できたために「午前10時20分、全汚染水タンクエリアの止水弁「閉」の確認、35m盤上の汚染水移送の停止、排水路ゲート「閉」を指示しました」という指示を出したのです。

この対応が迅速であったために数時間で全β濃度は下がってきていて、午後2時50分には、通常は全βは数10Bq/Lであることからすると(毎日公開されている「南放水口・排水路」の情報を参照のこと(リンク先は2/22の例))まだ100倍近く高い濃度ですが、最悪の事態は脱したことがわかります。

また、続報2に記載されていることからすると、「構内側溝排水放射線モニタ近傍」の排水路からのサンプリング(具体的な地点名は不明)は11時30分には3800Bq/Lでしたが、午後1時50分には390Bq/Lにまで低下したこと、「発電所港湾内排水路出口」では午後0時30分に3000Bq/Lを観測したとなっています。

つまり、3000Bq/L程度の全βを含む水が側溝を流れて港湾内に流出したことを確認したこと。そして側溝内の濃度は午後になったら1/10程度にまで低下したということです。側溝放射線モニタの数値との乖離がありますが(午後2時50分にまだ1000Bq/L以上)それは側溝の水の一部をモニタにまで引っ張ってきていることによるタイムラグで説明できるのかもしれません。

また、セシウムについてはCs-134が4Bq/L、Cs-137が11Bq/L(「続報」より)ということから、流出した汚染水は全β(恐らくはSr-90がメイン)が高いがγ核種はほとんど含まれていない汚染水であると考えられます。そもそもタンクエリアにある汚染水はセシウムはほとんど除去されているため、セシウムが高濃度であったらそれはもっと大騒ぎになると思います。

おそらく明日の記者会見においてはもう少しまとまった資料が掲載されると思いますので、それを読んだ方が分かり易いと思います。現在わかっている情報を簡単にまとめました。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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