農水省 27年度の「米の作付等に関する方針」を発表(2/27)
2/27の情報ですが、農水省から「27年産以降の米の作付等に関する方針」が発表されていました。今回はそれについて簡単にまとめておきます。なお、それ以外のお米に関する情報は農水省HPならばここに出ています。
2014年(平成26年)の福島県産米は、大晦日に「福島米の全量全袋検査、年内公表分でついに基準値超えゼロを達成!」で書いたように新米としては約1070万袋について基準値超えゼロを達成しています。
検体数はその後増えて、3/6現在で1095万検体を超えています。約1100万検体(1検体は30kgの米袋)

(福島の恵みサイトより 2015/3/7時点)
このあとも農家が自家消費用にとってある分などを使用する度に検査されて少しずつ増えるとは思いますが、実質的には終了したと言ってもいいと思います。
さて、すでに3月を迎えて今年2015年(平成27年)の米の作付はどうするのか、ということが話題になる時期が来ました。
私はこれまで福島県のお米についてずっと情報をフォローしてきていますので、今回もこれについて取り上げないわけにはいきません。
2012年2/29 「農水省が決定したお米の作付け方針と作付け制限について」
2012年3/10 「農水省の「24年産稲の作付制限区域の設定等について」の発表について」
2013年1/29 「1/29に農水省が発表した今年のお米の作付方針について」
2013年8/25 「25年度版:福島県のお米の放射能検査について」
2014年3/9 「農水省の発表した26年産米の作付制限等の対象地域」
2014年4/6 「26年度の福島県のお米の作付計画について」
毎年2月頃に原発被災地におけるお米の作付方針が農水省から発表されて、福島県などとの調整をした上で作付制限などの地域がその後に発表されます。3月には福島県のHPにもどの地区がどういう地域に当たるかということが発表されています。
今年度の作付方針の特徴は、「27年産米の方針については、既に定着している現行(26年産)の方針と同様の内容とすることとし、また、今後、事情の変更がない限り、28年産以降の方針も同様とすることとしました。」とあるように、昨年度と大きく変更しないこと、そして来年度以降も基本的には同じ方針である事が始めて明記されたことです。これは原発事故後4年が経過して、多くの人の努力によって基準値超えゼロも達成したことを受けて、今後はこういう方向性で行く、ということを打ち出したものと言えると思います。
管理される区域としては、2014年度(26年度)と同じ「作付制限」、「農地保全・試験栽培」、「作付再開準備」及び「全量生産出荷管理」の4つの区分があります。ただし、その対象面積については合計で昨年は12,100haだったのが今年は7,900haと減りました。特に全量生産出荷管理区域が大きく減っています。
「27年産米の作付制限等の対象地域」に具体的な地域名が記載されています。

(「27年産米の作付制限等の対象地域」 より)
ただ、これではわからないと思うので図を載せておきます。

(27年産米の作付制限等の対象地域(26年産との比較) より:図をクリックで拡大)
この図をみてわかるように、葛尾村が緑色の農地保全・試験栽培地域から紫の作付再開準備地域に変更になりました。作付再開準備地域になるということは実証栽培ができるので作った米を放射性物質の検査の上で出荷することが可能です。作付再開準備地域は、葛尾村が増えた面積とほぼ同等の川内村の面積が全量生産出荷管理地域に変更になりました。
また、南相馬市の多くの地域が全量生産出荷管理だったのですが、それがこの対象から外れて福島県の他の地域と同様に全戸生産出荷管理となりました。この事には実は農家にとって大きな意味があります。
2/28の福島民報「自粛なら賠償対象外 南相馬旧警戒区域外の稲作」にあるように、「農林水産省は農家が稲作を自粛した場合に東京電力の休業賠償を受けられる「全量生産出荷管理区域」から、休業賠償の対象外となる「全戸生産出荷管理区域」に変更する。同省が27日、発表した。」ということで、全戸生産出荷管理地域というのは生産自粛をしたら賠償対象外になるということなのです。
今年は、南相馬市がこの決定を受けてどう対応するのかというのが一つの焦点になると思います。
最後に、これまで発表されている図を用いて、2013年(平成25年)から2015年(平成27年)までの推移をまとめたのが下の図です。図の色分けの意味は少し上の図に記載してあるのと同じで、オレンジが作付制限地域、緑が昨年からできた分類で農地保全・試験栽培地域、紫が作付再開準備地域、そして黄色が全量生産出荷管理地域になります。なお、2012年(平成24年)については図に示したものがないため、並べて示すことができませんでした。
これを見ればわかるように、年を追うごとにだんだんと対象地域が減ってきているのがよくわかると思います。これも福島県の関係者の多くの努力のたまものなのです。

(農水省資料などから合成)
今年は、昨年までのように秋の毎朝のツイートなどはおそらくしないと思いますが、このような節目ではまとめていきたいと思います。
検体数はその後増えて、3/6現在で1095万検体を超えています。約1100万検体(1検体は30kgの米袋)

(福島の恵みサイトより 2015/3/7時点)
このあとも農家が自家消費用にとってある分などを使用する度に検査されて少しずつ増えるとは思いますが、実質的には終了したと言ってもいいと思います。
さて、すでに3月を迎えて今年2015年(平成27年)の米の作付はどうするのか、ということが話題になる時期が来ました。
私はこれまで福島県のお米についてずっと情報をフォローしてきていますので、今回もこれについて取り上げないわけにはいきません。
2012年2/29 「農水省が決定したお米の作付け方針と作付け制限について」
2012年3/10 「農水省の「24年産稲の作付制限区域の設定等について」の発表について」
2013年1/29 「1/29に農水省が発表した今年のお米の作付方針について」
2013年8/25 「25年度版:福島県のお米の放射能検査について」
2014年3/9 「農水省の発表した26年産米の作付制限等の対象地域」
2014年4/6 「26年度の福島県のお米の作付計画について」
毎年2月頃に原発被災地におけるお米の作付方針が農水省から発表されて、福島県などとの調整をした上で作付制限などの地域がその後に発表されます。3月には福島県のHPにもどの地区がどういう地域に当たるかということが発表されています。
今年度の作付方針の特徴は、「27年産米の方針については、既に定着している現行(26年産)の方針と同様の内容とすることとし、また、今後、事情の変更がない限り、28年産以降の方針も同様とすることとしました。」とあるように、昨年度と大きく変更しないこと、そして来年度以降も基本的には同じ方針である事が始めて明記されたことです。これは原発事故後4年が経過して、多くの人の努力によって基準値超えゼロも達成したことを受けて、今後はこういう方向性で行く、ということを打ち出したものと言えると思います。
管理される区域としては、2014年度(26年度)と同じ「作付制限」、「農地保全・試験栽培」、「作付再開準備」及び「全量生産出荷管理」の4つの区分があります。ただし、その対象面積については合計で昨年は12,100haだったのが今年は7,900haと減りました。特に全量生産出荷管理区域が大きく減っています。
区域 | 27年産米 | (参考)26年産米 |
作付制限 | 2,100 ha | 2,100 ha |
農地保全・試験栽培 | 500 ha | 700 ha |
作付再開準備 | 5,100 ha | 5,100 ha |
全量生産出荷管理 | 200 ha | 4,200 ha |
計 | 7,900 ha | 12,100 ha |
「27年産米の作付制限等の対象地域」に具体的な地域名が記載されています。

(「27年産米の作付制限等の対象地域」 より)
ただ、これではわからないと思うので図を載せておきます。

(27年産米の作付制限等の対象地域(26年産との比較) より:図をクリックで拡大)
この図をみてわかるように、葛尾村が緑色の農地保全・試験栽培地域から紫の作付再開準備地域に変更になりました。作付再開準備地域になるということは実証栽培ができるので作った米を放射性物質の検査の上で出荷することが可能です。作付再開準備地域は、葛尾村が増えた面積とほぼ同等の川内村の面積が全量生産出荷管理地域に変更になりました。
また、南相馬市の多くの地域が全量生産出荷管理だったのですが、それがこの対象から外れて福島県の他の地域と同様に全戸生産出荷管理となりました。この事には実は農家にとって大きな意味があります。
2/28の福島民報「自粛なら賠償対象外 南相馬旧警戒区域外の稲作」にあるように、「農林水産省は農家が稲作を自粛した場合に東京電力の休業賠償を受けられる「全量生産出荷管理区域」から、休業賠償の対象外となる「全戸生産出荷管理区域」に変更する。同省が27日、発表した。」ということで、全戸生産出荷管理地域というのは生産自粛をしたら賠償対象外になるということなのです。
今年は、南相馬市がこの決定を受けてどう対応するのかというのが一つの焦点になると思います。
最後に、これまで発表されている図を用いて、2013年(平成25年)から2015年(平成27年)までの推移をまとめたのが下の図です。図の色分けの意味は少し上の図に記載してあるのと同じで、オレンジが作付制限地域、緑が昨年からできた分類で農地保全・試験栽培地域、紫が作付再開準備地域、そして黄色が全量生産出荷管理地域になります。なお、2012年(平成24年)については図に示したものがないため、並べて示すことができませんでした。
これを見ればわかるように、年を追うごとにだんだんと対象地域が減ってきているのがよくわかると思います。これも福島県の関係者の多くの努力のたまものなのです。

(農水省資料などから合成)
今年は、昨年までのように秋の毎朝のツイートなどはおそらくしないと思いますが、このような節目ではまとめていきたいと思います。
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