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K排水路の港湾内への付け替えと各種排水路情報の整理


3/25に行われました第33回特定原子力施設監視・評価検討会では、5時間にわたりいろいろな話題が議論されました。
非常に長いため、全ての情報をまだチェックできていませんが、2月に起こった排水路に関する問題(「「K排水路から汚染水が海洋流出」報道からわかる、排水路の港湾内への付け替えの意味」参照)から、K排水路の付け替えの議論が出てきていますので、各種排水路の情報をこの機会に整理しておこうと思います。
従って、今回は各種排水路の流路の情報を中心にまとめていますので、それぞれの事象については詳しくは解説しません。

1. 敷地内排水路の全体像

まずは監視評価検討会の資料2-1として提出された資料から5つの構内排水路がどのように敷地内を流れているのかを確認しましょう。

0405-1
第33回監視評価検討会資料2-1 3ページより)

以前から存在が明らかになっていたB排水路、C排水路に加えて、2013年秋に初めて存在が明らかになった(「福島第一原発にはA排水路以外にもK排水路、物揚場排水路もあった!」参照)A排水路、K排水路、物揚場排水路の5つが構内一般排水路としてある事が明らかになっています。それぞれについて、さらに枝排水路が存在します。

今回のこの資料では、これに加えて、排水路ではないですが陳場沢川という川が敷地内を流れている事がはっきりと記載されています。この陳場沢川の流路は下流側で北側にねじ曲げられています。おそらく本来は5,6号機に向かっていたのを、5,6号機の建設に向けて流路を変更したものだと思います。5,6号機はもともと川が流れていた場所なので地下水があふれてきてその対策が大変だった、という話を聞いたことがあります(togetter「昔々、東電1Fの下には川が流れていたとさ」参照)ので、この流路はそれを裏付けるものだと思います。なお、1Fのすぐ南には夫沢川が流れています(「福島第一原発にはA排水路以外にもK排水路、物揚場排水路もあった!」参照)。


2. BC排水路とその付替排水路

続いて、B排水路とC排水路の合流地点より下流について注目してみていきましょう。下の図は、2014年7月14日の時点(付け替え前)でのBC排水路の状態を示したものです。黄色いB排水路は途中で青いC排水路と合流して下流へと流れていきますが、この地点はO.P.35mのエリアです。その後はクランクのように曲がりながらC-2を経て、30m近い高低差を一気に下って海へ流入していく経路でした。
0405-3
東電HP 2014年7/15 より)

しかしながら、これまでの4年間に何回ものタンクからの汚染水の流出事故があったため、直接海へ排出するのはよくないという議論になりました。その結果として、「側溝放射線モニタの異常値についての続報 東電記者会見(2/23)での情報」でも紹介しましたが、2014年の7月に付替排水路として港湾内に流す形に流路変更(完全に付け替えを完了したのは2014年11月)を行いました。

0405-2
2/22 東電HP より)

最終的には、BC付替排水路は港湾内(一番南側)に流れ込むようになりました。流入口は下図のような感じです。

0301-2
廃炉・汚染水対策現地調整会議(第15回)資料1 66枚目より)

付替排水路の流入口は、4号機の取水口付近で、海側遮水壁が閉じられていない部分のすぐそばにあります。ちょうど海側遮水壁が10mほど閉じられていないことを示す写真がありましたので、その写真を用いて示します。黒い2本の排水路の出口は海側遮水壁の閉じられていない部分のすぐそばである事がよく見たらわかると思います。

0301-3
廃炉・汚染水対策現地調整会議(第16回)資料1-1 16ページに加筆)


3. K排水路とその付替の計画

一方、K排水路は下図に示されているように、C排水路の付替排水路と交差する形で海に流出しています。
0301-4
(2/24 2号機原子炉建屋大物搬入口屋上部の溜まり水調査結果 に一部加筆)

今回のK排水路から海へ直接比較的高い濃度の放射性物質を含む水が流れ出した事を受けて、東京電力はこのK排水路を付け替えて港湾内に流し込む計画である事を明らかにしました。まずは応急策としてポンプで汲み上げてC排水路の付け替え排水路に流し込みます(3月に対応して試験運用開始)。そして今年度中には完全にK排水路を付け替える予定です(リンクは福島民報)。

0405-4
第33回監視評価検討会資料2-1 44ページより)

上の図を見ると、C排水路とK排水路が交差しており、とりあえずの措置としてポンプ8台で水を汲み上げて排水移送ラインで南側のC排水路(減勢工)のところで合流させる事になっているのがわかります。また、詳細なルートはまだ未定と言うことですが、K排水路の流路自体も付け替える予定であることが下の図に示されています。

0405-5
第33回監視評価検討会資料2-1 45ページより)

ところで、今回のK排水路の応急対策としてのポンプでの移送図(44ページ)について見ていたら、C排水路と並行して「地下水BPライン」というものがありました。これは地下水バイパスのことです。そこで、地下水バイパスの海へ放出する流路についても確認しておきましょう。


4. 排水路と地下水バイパス

地下水バイパスはすでに2014年5月から運用が開始されていますが、建屋に接触する前の汚染されていないはずの地下水を汲み上げて、それを放射性物質濃度を確認した上で海に排水するというものです。

0405-7
2012年9月 地下水バイパスの実施計画 より)

上の図で、一時貯留タンクから海までの配管ルートをこれまでの排水路の図とよく見比べるとBC排水路とかなり似た場所を通っています。しかしよく調べると、地下水バイパスは下の図に示したようにBC排水路(青い点線)とは完全に同じではなく独立した流路(赤い線)として存在し、最後はK排水路(黄色い線)の海への出口に注ぎ込んでいることがわかります。これについてはおそらくK排水路を付け替えても港湾内に流すことはないのでしょう。

0405-8
(東電HPの資料に加筆して作成)


5. 排水路とモニタリングポイントT-2、T-2-1の位置関係

ついでになりますが、K排水路、C排水路とT-2、T-2-1といったモニタリングポイントの位置関係を把握しておく必要があると思いますので図で示します。下図には港湾(マスコミは「専用港」と表現します)と排水路、T-2とT-2-1の位置関係を示したものです。

0301-1
第4回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」資料3 60ページ に一部加筆

そして、T-2というポイントは、南放水口の約330m南なので、C排水路の旧排出口から南に100mほどいったところになります。先ほど示した図を再掲します。
0405-3
東電HP 2014年7/15 より)

このポイントは、2011年3月以来ずっと海水のサンプリングポイントとして利用されてきましたが、ここでも海底土の採取をしていたため、2012年11月に東電はいきなりこのサンプリングポイントをさらに1kmも南にあるT-2-1というポイントに移動してしまいました。

ほとんどの人がこの変更に気がつかず、2013年8月にその経緯と問題点について明らかにしたのが「汚染水タンクから最大300トンの漏えい!(4) 測定地点T-2とT-2-1のその後」になります。C排水路を通じた海への汚染水漏れがあったためにT-2での測定は復活しましたが、排水路を付け替えたためにいずれは廃止される予定だそうです。


以上、通常は断片的にしか出てこない情報をまとめて整理してみました。このような形でまとめて示される機会はまずないと思いますので、参考にしていただければと思います。

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これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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