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福島県でも27年度の早場米の収穫始まる。今年は?

 
福島原発事故後のお米の放射能については平成23年から4年間ずっと私はこのブログでおいかけて情報発信をしてきました。そして、4年目の昨年(平成26年=2014年)、年内に収穫されて全量全袋検査によって検査されたお米ははじめて基準値超えゼロを達成した、ということをお伝えしました(「福島米の全量全袋検査、年内公表分でついに基準値超えゼロを達成!」参照)。

そのため、今年はもうこれまでのような詳細な追跡は行わない予定です。ただ、時々情報をフォローして発信していきたいと思っています。


今年のお米の作付方針については、3月に「農水省 27年度の「米の作付等に関する方針」を発表(2/27)」を書いていますのでそちらをご参照ください。原発事故後は、作付制限地域、作付再開準備地域、全量出荷管理生産地域といった補償を受けられる地域分類がありますが、今年の大きな特徴は、南相馬市の大部分が補償を受けられる全量出荷管理生産地域から休業賠償の対象外となる「全戸生産出荷管理区域」に変更になったということだと思います。

これを受けて、福島県としては3月19日に平成27年産米に関する福島県管理計画を決定しました。本文別表へのリンクをつけておきます。形式的にはこれを受けて3月20日に、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣より、農林水産省が2月27日に公表した「米の作付等に関する方針」及び27年産米の作付制限等の対象地域において定められた「農地保全・試験栽培」、「作付再開準備」及び「全量生産出荷管理」の対象区域に対して、県が定める管理計画に基づかない27年産米の出荷制限の指示がありました。

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27年産米の作付制限等の対象地域(26年産との比較) より:図をクリックで拡大)

一方、今年の7月になって残念なニュースがありました。これは26年産米に関する話ですが、福島市の旧青木村で生産されて、自家用としてとってあった玄米から2検体、基準値を超える220Bq/kgと170Bq/kgの放射性セシウムが検出されたのです。福島県のHPに7月9日の発表として公表されています(pdfはこちら)。

これは出荷する予定の米ではなく、当然市場に出回ることはありませんでした。この農家は26年度が震災後の初めての作付であり、カリウム施肥などの対策はとっていなかったということですので、特殊な条件であったということですが、形式的にはせっかく基準値超えゼロを達成したと思っていたのに、26年産米については約1100万検体(1検体は玄米30kg)の検査で2検体が基準値超え、という結果になってしまいました。関係者にとっては非常に残念なことでしょう。

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(「ふくしまの恵み」 サイトより、26年産米の結果

とはいえ、この農家のような特殊なケースを除けば、吸収抑制策としてカリウム施肥を行うということが全ての農家に情報として行き渡っているので、今年もおそらく基準値超えはゼロを達成できると期待しています。

すでに8月18日には二本松市で早場米の収穫が始まり、20日は今年の全袋検査が始まりました。いつもニュースに出てくる安斎さんの米37検体は全て検出限界値以下でした。27年産米のデータを掲載するページもできて、8月21日から下図のようにデータが掲載されはじめました。

0829-2
「ふくしまの恵み」サイトより 8/21のデータ)

全量全袋検査の結果については、すでに何度もこのブログではご紹介しているように、「ふくしまの恵み」サイトにおいて、平成24年度からの結果が全て公開されています。ちなみに、このサイトにおいてはお米以外の果物野菜の測定結果、そして全量全袋検査の流れなどについてもわかりやすい説明がありますので、興味がある方は是非お読みいただければと思います。

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ふくしまの恵み サイトのトップページ)


このブログを書いている8月29日現在、「ふくしまの恵み」サイトにおいては、お米の全量全袋検査の情報が8月28日検査分まで公開されています。昨年までのデータ更新の状況を見ると、毎日夜中にデータが更新されているようです。

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ふくしまの恵み サイトより)

今年は、ポイントポイントで情報をフォローして発信していきたいと思います。


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TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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