第45回監視評価検討会 その2 その他今年を振り返って
前回、8月に書いてからもう4ヶ月が経ってしまいました。
いつの間にかもう年末、今年もあと一週間ですね。
その後、監視評価検討会も9月、10月、11月と3回開催され、12月26日には今年最後の検討会が開催される予定です。
前回は中途半端な形で終わったので、少なくともそれにけりをつけて、その後のアップデートを少しして今年の締めくくりにしたいと思います。
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。
いつの間にかもう年末、今年もあと一週間ですね。
その後、監視評価検討会も9月、10月、11月と3回開催され、12月26日には今年最後の検討会が開催される予定です。
前回は中途半端な形で終わったので、少なくともそれにけりをつけて、その後のアップデートを少しして今年の締めくくりにしたいと思います。
まずは前回疑問に思った点の答え合わせから。詳しくは前回のブログを見てほしいのですが、資料4-2において4ページで明らかな記載ミスがありました。それが単なるミスだったのか、会議の中でそのミスの訂正がなされていたのか、ということが気になっていましたが、すでに議事録が出ていますのでそれで確認したところ、会議においては資料4-2についてはほとんど言及がありませんでした。
つまり、少なくとも修正はなかったということが確認できました。ただ、単なるミスなのか(通常はこちらでしょうが)、少しでも未凍結の箇所が少ないように見せたかったのかは不明です。
この後は、その後4ヶ月でどのような変化があったのかを簡単に記載しておきます。
この未凍結の部分も補助工法としてグラウトを注入するなどしてなんとか9月頃には凍結させることに成功しました。
現状では陸側遮水壁がどのようになっているのか、ということですが、現在は東京電力のいう第二段階にあると思います。今年の3月の第41回監視評価検討会において、海側から凍結を開始し、山側も95%を閉合する第一段階が提案されて3月末から凍結が開始されました。

(第41回特定原子力施設監視・評価検討会 資料3 より)
未凍結の部分もやっと凍結できたため、第一段階を完了し、さらに10月の第47回監視評価検討会において、未閉合の山側7カ所のうち2カ所(下図において西側1と西側5)を閉合するという提案を行い、認められました。

(第47回特定原子力施設監視・評価検討会 資料3 より)
しかしながら、凍土壁の効果について、東電と規制委員会の意見は割れており、日経(12/23)の記事(有料記事)にあるように、完全に凍結させるという判断はおそらく年内(12/26の検討会)にはされないと思います。
どうしてこのような意見の食い違いがあるかというと、簡単に言ってしまえば凍土壁ありきの東電と、サブドレンで十分であって、凍土壁はあくまでサブ(重層的対策)でしかないという規制委員会の考え方の違いがあります。それに加えて、東電側は、規制委員会や検討会での有識者のコメントに対して真摯に回答しようという姿勢があまり感じられず、自分たちの主張をただ繰り返して時間稼ぎをするようなことをずっと行ってきました。そのことによる不信感というのが規制委員会には根強くあります。
今年の議論は私は詳細にはフォローしていませんが、8月の議事録を読んだだけでも上記の対立がまだ続いているな、ということは感じ取れました。また、福島第一原発の事故処理の過程で、東電が計画したことで予想外の事態にならなかったことはほとんどないということはこの陸側遮水壁においても見事に実証されました。つまり、東電は問題なく凍ると言っていた凍土壁が凍らずに、予定よりも数ヶ月遅れてしまったことです。
初めて行うことですので、当然予想外のことが起こっても仕方ない部分もあります。しかし、これは規制委員会の更田委員も言っていることですが、凍土壁において一番困るのは、水位管理がうまくできずに建屋地下の滞留水(汚染水)水位が地下水水位よりも高くなって汚染水が建屋の外にしみ出してしまうことです。そうなってしまったらもう二度と元に戻すことはできず、取り返しがつきません。
そうならない保証があるのでしょうか。これまでの東電のやり方をみていると、凍土壁を完全に機能させたけれども予想外の事態が起きて汚染水が建屋の外に漏れ出しました、となってしまう可能性も十分にあり得るのではないか?と私には思えてくるのです。今までの多くの想定外の事態という実績の積み重ねから自然とそう思えてしまうのです。そういう意味で、私は慎重に進めていくべきと思います。
おそらく、今年度末に向けて第三段階(完全に閉合する段階)に進むかどうかの議論がされて、何らかの判断がされると思います。その頃までには少し凍土壁の話はまとめたいと思います。
また来年も、頻度は落ちるものの、汚染水処理の話はできるだけフォローし続けたいと思います。また、時間がとれれば、福島第一原発とは違う、他の話題(ゲノム編集時代における遺伝子組換え関連)についてもいずれまとめていきたいと思っているのですが、今年一年を振り返ってみて来年もそれだけの時間を割ける保証がないため、しばらくは構想として暖めておきたいと思います。
今年はあまり書けませんでしたが、読んでくださった方はありがとうございました。いつになったら復活できるかどうかわかりませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。来年もよろしくお願いいたします。
つまり、少なくとも修正はなかったということが確認できました。ただ、単なるミスなのか(通常はこちらでしょうが)、少しでも未凍結の箇所が少ないように見せたかったのかは不明です。
この後は、その後4ヶ月でどのような変化があったのかを簡単に記載しておきます。
この未凍結の部分も補助工法としてグラウトを注入するなどしてなんとか9月頃には凍結させることに成功しました。
現状では陸側遮水壁がどのようになっているのか、ということですが、現在は東京電力のいう第二段階にあると思います。今年の3月の第41回監視評価検討会において、海側から凍結を開始し、山側も95%を閉合する第一段階が提案されて3月末から凍結が開始されました。

(第41回特定原子力施設監視・評価検討会 資料3 より)
未凍結の部分もやっと凍結できたため、第一段階を完了し、さらに10月の第47回監視評価検討会において、未閉合の山側7カ所のうち2カ所(下図において西側1と西側5)を閉合するという提案を行い、認められました。

(第47回特定原子力施設監視・評価検討会 資料3 より)
しかしながら、凍土壁の効果について、東電と規制委員会の意見は割れており、日経(12/23)の記事(有料記事)にあるように、完全に凍結させるという判断はおそらく年内(12/26の検討会)にはされないと思います。
どうしてこのような意見の食い違いがあるかというと、簡単に言ってしまえば凍土壁ありきの東電と、サブドレンで十分であって、凍土壁はあくまでサブ(重層的対策)でしかないという規制委員会の考え方の違いがあります。それに加えて、東電側は、規制委員会や検討会での有識者のコメントに対して真摯に回答しようという姿勢があまり感じられず、自分たちの主張をただ繰り返して時間稼ぎをするようなことをずっと行ってきました。そのことによる不信感というのが規制委員会には根強くあります。
今年の議論は私は詳細にはフォローしていませんが、8月の議事録を読んだだけでも上記の対立がまだ続いているな、ということは感じ取れました。また、福島第一原発の事故処理の過程で、東電が計画したことで予想外の事態にならなかったことはほとんどないということはこの陸側遮水壁においても見事に実証されました。つまり、東電は問題なく凍ると言っていた凍土壁が凍らずに、予定よりも数ヶ月遅れてしまったことです。
初めて行うことですので、当然予想外のことが起こっても仕方ない部分もあります。しかし、これは規制委員会の更田委員も言っていることですが、凍土壁において一番困るのは、水位管理がうまくできずに建屋地下の滞留水(汚染水)水位が地下水水位よりも高くなって汚染水が建屋の外にしみ出してしまうことです。そうなってしまったらもう二度と元に戻すことはできず、取り返しがつきません。
そうならない保証があるのでしょうか。これまでの東電のやり方をみていると、凍土壁を完全に機能させたけれども予想外の事態が起きて汚染水が建屋の外に漏れ出しました、となってしまう可能性も十分にあり得るのではないか?と私には思えてくるのです。今までの多くの想定外の事態という実績の積み重ねから自然とそう思えてしまうのです。そういう意味で、私は慎重に進めていくべきと思います。
おそらく、今年度末に向けて第三段階(完全に閉合する段階)に進むかどうかの議論がされて、何らかの判断がされると思います。その頃までには少し凍土壁の話はまとめたいと思います。
また来年も、頻度は落ちるものの、汚染水処理の話はできるだけフォローし続けたいと思います。また、時間がとれれば、福島第一原発とは違う、他の話題(ゲノム編集時代における遺伝子組換え関連)についてもいずれまとめていきたいと思っているのですが、今年一年を振り返ってみて来年もそれだけの時間を割ける保証がないため、しばらくは構想として暖めておきたいと思います。
今年はあまり書けませんでしたが、読んでくださった方はありがとうございました。いつになったら復活できるかどうかわかりませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。来年もよろしくお願いいたします。
- 関連記事
-
- 第49回監視評価検討会(2016年12月26日)での凍土壁の議論 (2017/01/09)
- 第45回監視評価検討会 その2 その他今年を振り返って (2016/12/25)
- 8/18 第45回監視評価検討会 その1 (復活への準備編) (2016/08/18)


↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。